018 吉田 耕司 2022-12-02
マスター・オブ・ウイスキー/ソムリエ/グラン・マエストロ・デ・テキーラ/ラム・コンシェルジュ/唎酒師/焼酎アドバイザー
画一的ではない、飲み手主体のコンペティションならではの受賞結果だと感じます
2022年の一次審査では、スコッチ、アメリカンなどのウイスキーや、ラムなどのスピリッツ、そして焼酎など、たくさんのフライトを担当させて頂きました。コロナウイルスとの闘いの中で、今年もリモートでの開催となったことは少し残念ですが、リモートならではの利点もあり、TWSC2022としては大成功に終わったと感じています。
リモート開催にあたっては、評価サンプルの仕分け、郵送、集計など、携わられたスタッフの並々ならぬご努力があったことは容易に想像でき、改めまして感謝申しあげたいと思います。
実際に審査会を開催した時には、試飲直後の感想を他の審査員の方々にお聞きし、自分の評価が一般のお客様の意見とどう違うのかを意識しました。また、リモートの場合には、各フライトともに、朝10時を目途に試飲・評価を行うことを心掛け、一定の体調となる様に心掛けました。
受賞したものの中には、図らずも自分が高評価をしたもの、しなかったものなどがありましたが、飲み手主体のコンペティションであるがゆえの結果となっていました。これは画一的な評価となっていない証であり、審査員の嗜好性が尊重された良い傾向だと思います。
スコッチでは「76.146 月明かりの下でセビジャーナスを踊る」、ジンは「秋田杉GIN」、ラムの「ロン サカパ XO」、アガベスピリッツの「ドン・フリオ 1942」などです。
受賞ボトルを揃えたテイスティング会を実施しました。来年はクラフトの蒸留所や蔵元の出品に期待しています。
需要が増えることはいいのですが、原酒量・貯蔵度合いが追いつかなくなることを懸念します。輸入に関しては、円ドル為替が大きく円安傾向であり、バーや消費者が購入する際の負担が増していることは心苦しい限りです。
一方で、日本からの輸出に関しては、円安は最大のチャンスでもあり、この機会に世界市場に向けて日本産のウイスキーやスピリッツを大いにアピールして欲しいと思います。
文=TWSC事務局
PROFILE
1967年新潟県生まれ。総合酒類メーカー合同酒精株式会社勤務。唎酒師やソムリエ、チーズプロフェッショナル等、多くの資格を持ち、週末を中心に神奈川県川崎市のバー「Food & Beverage Ryo+」のカウンターにも立つ。