審査員と実行委員会の採点をもとに審議し、
最高金賞・金賞・銀賞・銅賞、特別賞などを決定します。
TWSC2023<洋酒部門>
特別賞
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国や地域を超え、そのカテゴリーの中でのNo.1を獲得したアイテムに対して与えられる賞。
【SINGLE MALT】カバラン ソリスト PX シェリー
Kavalan Solist PX Sherry
【SINGLE MALT】
カバラン ソリスト PX シェリー
Kavalan Solist PX Sherry
アルコール度数:46%
出品企業:Kavalan Distillery
生産国(地):台湾
【BLENDED WHISKY】イチローズ モルト&グレーン ブレンデッドジャパニーズウイスキー リミテッドエディション 2023
Ichiro's Malt & Grain Blended Japanese Whisky Limited Edition 2023
【BLENDED WHISKY】
イチローズ モルト&グレーン ブレンデッドジャパニーズウイスキー リミテッドエディション 2023
Ichiro's Malt & Grain Blended Japanese Whisky Limited Edition 2023
アルコール度数:48%
出品企業:株式会社ベンチャーウイスキー
生産国(地):日本
【JAPANESE GIN】ザ・ハーバリスト ヤソジン オレンジ
The Herbalist Yaso Gin Orange
【JAPANESE GIN】
ザ・ハーバリスト ヤソジン オレンジ
The Herbalist Yaso Gin Orange
アルコール度数:45%
出品企業:株式会社越後薬草
生産国(地):日本
出品ベースによる各カテゴリーにおいて、特に優れたアイテムに対して与えられる賞。
ベスト・シングルモルト
スコッチウイスキーバルブレア 18年
Balblair 18 YO
ベスト・シングルモルト
スコッチウイスキー
バルブレア 18年
Balblair 18 YO
アルコール度数:46%
出品企業:三陽物産株式会社
生産国(地):スコットランド
ベスト・クラフト
スコッチウイスキーアイル オブ ラッセイ ヘブリディアン シングルモルト
Isle of Raasay Hebridean Single Malt
ベスト・クラフト
スコッチウイスキー
アイル オブ ラッセイ ヘブリディアン シングルモルト
Isle of Raasay Hebridean Single Malt
アルコール度数:46.4%
出品企業:株式会社都光
生産国(地):スコットランド
ベスト・ブレンデッド
スコッチウイスキーデュワーズ ダブルダブル 32年
Dewar's Double Double 32 YO
ベスト・ブレンデッド
スコッチウイスキー
デュワーズ ダブルダブル 32年
Dewar's Double Double 32 YO
アルコール度数:46%
出品企業:バカルディジャパン株式会社
生産国(地):スコットランド
ベスト・アイリッシュ
ウイスキーアイリッシュマン ザ・ハーヴェスト
The Irishman The Harvest
ベスト・アイリッシュ
ウイスキー
アイリッシュマン ザ・ハーヴェスト
The Irishman The Harvest
アルコール度数:40%
出品企業:リードオフジャパン株式会社
生産国(地):アイルランド
ベスト・シングルモルト
ジャパニーズウイスキーシングルモルト 嘉之助 アーティストエディション#002
Single Malt Kanosuke Artist Edition #002
ベスト・シングルモルト
ジャパニーズウイスキー
シングルモルト 嘉之助 アーティストエディション#002
Single Malt Kanosuke Artist Edition #002
アルコール度数:50%
出品企業:小正嘉之助蒸溜所株式会社
生産国(地):日本
ベスト・ブレンデッド
ジャパニーズウイスキー/21年以上響 21年
Suntory Whisky Hibiki 21 YO
ベスト・ブレンデッド
ジャパニーズウイスキー/21年以上
響 21年
Suntory Whisky Hibiki 21 YO
アルコール度数:43%
出品企業:サントリー株式会社
生産国(地):日本
ベスト・アメリカン
ウイスキーケンズチョイス ジャズインスツルメンタル ヴォーカル
Ken's Choice Jazz Instrumental Vocal
ベスト・アメリカン
ウイスキー
ケンズチョイス ジャズインスツルメンタル ヴォーカル
Ken's Choice Jazz Instrumental Vocal
アルコール度数:59%
出品企業:ケンズ・チョイス・ジャパン合同会社
生産国(地):アメリカ
ベスト・アジアン
ウイスキーカバラン ソリスト PX シェリー
Kavalan Solist Px Sherry Single Cask Strength Single Malt Whisky
ベスト・アジアン
ウイスキー
カバラン ソリスト PX シェリー
Kavalan Solist Px Sherry Single Cask Strength Single Malt Whisky
アルコール度数:55.6%
出品企業:Kavalan Distillery
生産国(地):台湾
ベスト・チャイニーズ
ウイスキーダイキン ポート シングルカスクストレングス MP0118009
Daiking Port Single Cask Strength MP0118009
ベスト・チャイニーズ
ウイスキー
ダイキン ポート シングルカスクストレングス MP0118009
Daiking Port Single Cask Strength MP0118009
アルコール度数:55.6%
出品企業:Fujian Daiking Louis Distillery Co. Ltd.
生産国(地):中国
ベスト・オセアニアン
ウイスキースプリングベイ シングルモルト トニー・ポートカスク
Spring Bay Single Malt Tawny Port Cask
ベスト・オセアニアン
ウイスキー
スプリングベイ シングルモルト トニー・ポートカスク
Spring Bay Single Malt Tawny Port Cask
アルコール度数:46%
出品企業:Spring Bay Distillery
生産国(地):オーストラリア
ベスト・ワールド
ウイスキーエムアンドエイチ エイペックス 酒精強化レッドワインカスク
M&H Apex Peated Fortified Red Wine Cask
ベスト・ワールド
ウイスキー
エムアンドエイチ エイペックス 酒精強化レッドワインカスク
M&H Apex Peated Fortified Red Wine Cask
アルコール度数:55.3%
出品企業:株式会社サイズ
生産国(地):イスラエル
ベスト・ヨーロピアン
ウイスキーオールドサンドヒルシングルモルトウイスキー ビオウイスキー
Old Sandhill Single Malt Whisky Bio-Whisky
ベスト・ヨーロピアン
ウイスキー
オールドサンドヒルシングルモルトウイスキー ビオウイスキー
Old Sandhill Single Malt Whisky Bio-Whisky
アルコール度数:43%
出品企業:LOERKE international株式会社
生産国(地):ドイツ
ベスト・ブランデーダルティガロング バ・アルマニャック 1992
Dartigalongue Bas-Armagnac 1992
ベスト・ブランデー
ダルティガロング バ・アルマニャック 1992
Dartigalongue Bas-Armagnac 1992
アルコール度数:40%
出品企業:NOZOMI株式会社
生産国(地):フランス
ベスト・ジャパニーズ
クラフトジンザ・ハーバリスト ヤソジン オレンジ
The Herbalist Yaso Gin Orange
ベスト・ジャパニーズ
クラフトジン
ザ・ハーバリスト ヤソジン オレンジ
The Herbalist Yaso Gin Orange
アルコール度数:45%
出品企業:越後薬草蒸留所
生産国(地):日本
ベスト・ラムロン サカパ XO
Ron Zacapa XO
ベスト・ラム
ロン サカパ XO
Ron Zacapa XO
アルコール度数:40%
出品企業:ディアジオ ジャパン株式会社
生産国(地):グアテマラ
ベスト・ジャパニーズラムイエラム サンタマリア ボヤージュ #02 エイジド イン シェリーカスク
Ierum Santa Maria Voyage #02 Aged In Sherry Cask
ベスト・ジャパニーズラム
イエラム サンタマリア ボヤージュ #02 エイジド イン シェリーカスク
Ierum Santa Maria Voyage #02 Aged In Sherry Cask
アルコール度数:44%
出品企業:株式会社伊江島物産センター
生産国(地):日本
ベスト・アガベスピリッツアラクラン エクストラアネホ
Alacran Extra Anejo
ベスト・アガベスピリッツ
アラクラン エクストラアネホ
Alacran Extra Anejo
アルコール度数:40%
出品企業:De Agave株式会社
生産国(地):メキシコ
ボトルデザイン、パッケージの優れたデザインに対して与えられる賞。
スコッチウイスキーデュワーズ ダブルダブル 27年
Dewar's Double Double 27 YO
スコッチウイスキー
デュワーズ ダブルダブル 27年
Dewar's Double Double 27 YO
アルコール度数:46%
出品企業:バカルディジャパン株式会社
生産国(地):スコットランド
アイリッシュウイスキーロー アンド コー
Roe & Co
アイリッシュウイスキー
ロー アンド コー
Roe & Co
アルコール度数:45%
出品企業:ディアジオ ジャパン株式会社
生産国(地):アイルランド
ジャパニーズウイスキーシングルグレーンウイスキー 富士
Kirin Single Grain Whiskey Fuji
ジャパニーズウイスキー
シングルグレーンウイスキー 富士
Kirin Single Grain Whiskey Fuji
アルコール度数:46%
出品企業:キリンビール株式会社
生産国(地):日本
アメリカンウイスキーケンズチョイス ジャズインスツルメンタル ヴォーカル
Ken's Choice Jazz Instrumental Vocal
アメリカンウイスキー
ケンズチョイス ジャズインスツルメンタル ヴォーカル
Ken's Choice Jazz Instrumental Vocal
アルコール度数:59%
出品企業:Ken's Bar 京橋本店/合同会社サカキ
生産国(地):アメリカ
ワールドジンシップスミス V.J.O.P.
Sipsmith VJOP
ワールドジン
シップスミス V.J.O.P.
Sipsmith VJOP
アルコール度数:57.7%
出品企業:サントリー株式会社
生産国(地):イングランド
ジャパニーズクラフトジンナンバーエイトジン 2022 ゴールドエディション
Number Eight Gin 2022 Gold Edition
ジャパニーズクラフトジン
ナンバーエイトジン 2022 ゴールドエディション
Number Eight Gin 2022 Gold Edition
アルコール度数:46%
出品企業:株式会社HUGE
生産国(地):日本
コストパフォーマンスに優れたアイテムに対して与えられる賞。
シングルモルト
スコッチウイスキーグレングラント アルボラリス
The Glen Grant Arboralis
シングルモルト
スコッチウイスキー
グレングラント アルボラリス
The Glen Grant Arboralis
アルコール度数:40%
出品企業:CT SPIRITS JAPAN株式会社
生産国(地):スコットランド
ブレンデッド
スコッチウイスキーロッホローモンド シグネチャー
Loch Lomond Signature
ブレンデッド
スコッチウイスキー
ロッホローモンド シグネチャー
Loch Lomond Signature
アルコール度数:40%
出品企業:株式会社都光
生産国(地):スコットランド
アイリッシュウイスキーランベイ スモールバッチブレンド
Lambay Small Batch Blend
アイリッシュウイスキー
ランベイ スモールバッチブレンド
Lambay Small Batch Blend
アルコール度数:40%
出品企業:株式会社都光
生産国(地):アイルランド
アメリカンウイスキーエヴァン・ウイリアムス ブラックラベル
Evan Williams Black Label
アメリカンウイスキー
エヴァン・ウイリアムス ブラックラベル
Evan Williams Black Label
アルコール度数:43%
出品企業:バカルディジャパン株式会社
生産国(地):アメリカ
ジャパニーズウイスキーシングルモルトジャパニーズウイスキー 戸河内
Single Malt Japanese Whisky Togouchi
ジャパニーズウイスキー
シングルモルトジャパニーズウイスキー 戸河内
Single Malt Japanese Whisky Togouchi
アルコール度数:43%
出品企業:株式会社サクラオブルワリーアンドディスティラリー
生産国(地):日本
ジャパニーズクラフトジンクラフトジン瀬戸内 檸檬
Craft Gin Setouchi Lemon
ジャパニーズクラフトジン
クラフトジン瀬戸内 檸檬
Craft Gin Setouchi Lemon
アルコール度数:47%
出品企業:株式会社三宅本店
生産国(地):日本
ワールドジンヘンドリックス ジン
Hendrick's Gin
ワールドジン
ヘンドリックス ジン
Hendrick's Gin
アルコール度数:44%
出品企業:三陽物産株式会社
生産国(地):スコットランド
アジアンウイスキーカバラン ディスティラリーセレクト No.2
Kavalan Distillery Select No.2 Single Malt Whisky
アジアンウイスキー
カバラン ディスティラリーセレクト No.2
Kavalan Distillery Select No.2 Single Malt Whisky
アルコール度数:40%
出品企業:Kavalan Distillery
生産国(地):台湾
ワールドウイスキーM&H クラシック
M&H Classic
ワールドウイスキー
M&H クラシック
M&H Classic
アルコール度数:46%
出品企業:株式会社サイズ
生産国(地):イスラエル
ラムパッサーズラム ガンパウダープルーフ
Pusser's Rum Gunpowder Proof
ラム
パッサーズラム ガンパウダープルーフ
Pusser's Rum Gunpowder Proof
アルコール度数:54.5%
出品企業:株式会社ePower
生産国(地):ガイアナ
ラムディロン トレ ヴュー ラム V.S.O.P.
TrÈS Vieux Rhum Dillon VSOP
ラム
ディロン トレ ヴュー ラム V.S.O.P.
TrÈS Vieux Rhum Dillon VSOP
アルコール度数:43%
出品企業:ドーバー洋酒貿易株式会社
生産国(地):フランス
アガベスピリッツルースター・ロホ ブランコ
Rooster Rojo Blanco
アガベスピリッツ
ルースター・ロホ ブランコ
Rooster Rojo Blanco
アルコール度数:40%
出品企業:リードオフジャパン株式会社
生産国(地):メキシコ
造り、話題性、革新性などの観点から、その年において優れた蒸留所に対して与えられる賞。
ベスト・スコッチ・
ディスティラリー・オブ・ザ・イヤーグレンモーレンジィ蒸留所
Glenmorangie Distillery
ベスト・スコッチ・
ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー
グレンモーレンジィ蒸留所
Glenmorangie Distillery
ユニークな「燈台蒸留所」の完成でますます注目を集める蒸留所
“キリンのようなスチル”と形容されるのが、業界一の高さを誇るグレンモーレンジィのポットスチル。蒸留所が北ハイランドのテインの街に創業したのは1843年のこと。当初資金がなく、ジン用の中古のスチルを買ってきたのが、そもそもの始まりだという。独特のスチルはジン用蒸留器の中古だったのだ。当初は2基しかなかったスチルも現在は12基。体育館のようなスチルハウスに、それらのスチルが整然と並ぶ様は、見る者を圧倒する。スチルハウスの美しさでも、世界一、二位を争うだろう。グレンモーレンジィといえば、統括責任者を務めるビル・ラムズデン博士。今では当たり前となったウッドフィニッシュを初めて導入したのもラムズデン氏で、数々のユニークな試みで、30年以上にわたって業界をリードし続けてきた。そのラムズデン氏が満を持してオープンさせたのが、ライトハウス。燈台と名付けられたその実験的な蒸留所では、あらゆるタイプのウイスキーを造ることが可能となっている。
ベスト・スコッチ・クラフト・
ディスティラリー・オブ・ザ・イヤーリンドーズアビー蒸留所
Lindores Abbey Distillery
ベスト・スコッチ・クラフト・
ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー
リンドーズアビー蒸留所
Lindores Abbey Distillery
世界中のウイスキーファンが注目する “聖地”に建つ蒸留所
「修道士ジョン・コーに8ボルの麦芽を与えてアクアヴィテを造らしむ…」。これは1494年に書かれたスコットランド王室の記録で、これが世界最古のウイスキーの記録だとされる。そのジョン・コーが居たとされるのが、ファイフ地方のリンドーズ修道院だ。12世紀に創建された古い修道院だが、現在は完全な廃墟となっている。その跡地に2017年にオープンしたのが、その名もリンドーズアビー、リンドーズ修道院蒸留所だ。同時に発掘調査も行われ、当時の釜の跡と思われる遺構も発見されている。ピートなどを燃料に蒸留が行われていたのだろう。リンドーズの創業者は跡地を所有するD・マッケンジー・スミス氏。コンサルタントしたのは故ジム・スワン博士で、博士は台湾のカバラン蒸留所なども指導した人物として、世界的に有名だ。スチル3基(初留1、再留2)を擁するクラフト蒸留所で、蒸留所には生産棟の倍以上のスペースのビジターセンターがあり、多くの観光客が訪れる。クラフト蒸留所とツーリズムの関係を考える上でも、大いに注目される蒸留所となっている。
ベスト・アイリッシュ・クラフト・
ディスティラリー・オブ・ザ・イヤーディングル蒸留所
Dingle Distillery
ベスト・アイリッシュ・クラフト・
ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー
ディングル蒸留所
Dingle Distillery
ケルト文化が色濃く残る地に建てられた“アイルランド的”な蒸留所
アイルランド南西部のディングル半島の先端近くにあるのがディングル蒸留所で、創業したのは2012年のこと。ディングル半島一帯はケルト文化が色濃く残るところで、西暦5 ~6世紀頃に築かれた初期キリスト教の修道院やチャペルが、廃墟となって各地に残っている。中でも有名なのがディングル半島の沖合に浮かぶ世界遺産のスケリッグ・マイケル島で、断崖絶壁の島の頂上まで岩を削って作られた階段が伸び、その上に異様とも思える修道院が築かれている。映画『スターウォーズ』のロケ地でもあり、ファンには馴染みの光景だ。蒸留所は古い粉挽き工場を改造したもので、ポットスチル3基が稼働する。他にジン・ウォッカ用のハイブリッドスチルが2基あり、3回蒸留のモルトウイスキーとポットスチルウイスキー、そしてジンやウォッカを造っている。発酵槽は木製だが、ユニークなのは糖化槽も木製で、手作業で穀物の糖化作業を行っている。2017年からシングルモルト、シングルポットスチルをリリース。現在は日本にも代理店があり、一般にも販売されている。シンボルはディングル半島に伝わるレンボーイ。奇妙な風習として知られている。
ベスト・ジャパニーズ・クラフト・
ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー八郷蒸溜所
Yasato Distillery
ベスト・ジャパニーズ・クラフト・
ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー
八郷蒸溜所
Yasato Distillery
すべて日本産穀物にこだわる究極のクラフト蒸留所の誕生
大麦麦芽だけでなく小麦や未発芽大麦、米やトウモロコシなど、あらゆる穀物を使ってウイスキーを造ろうというのが、茨城県石岡市の八郷地区に誕生した木内酒造の八郷蒸溜所だ。それも、すべて日本産穀物にこだわりたいという。木内酒造は1823年に創業した老舗の酒造で、日本酒の「菊盛」などを造っているが、同社を一躍有名にしたのが、1996年に参入したビール造り。「常陸野ネストビール」は、クラフトビールの雄として、日本だけではなくアメリカやアジアでも知られるトップブランドとなっている。その木内酒造が、日本でしか造れないジャパニーズウイスキーを目指してウイスキー事業に参入したのが、2016年のこと。当初は那珂市の額田ビール工場で、試験的に造っていたが、2020年に八郷地区の巨大な公民館を改修して、それを蒸留所とした。あらゆる穀物に対応するために通常の糖化槽ではなく、糖化タンクと濾過タンクを分けたり、さらに工場を建てて地元の大麦を自ら麦芽に加工する製麦装置の導入にも取り組んでいる。究極のテロワールを追求した、そのユニークかつチャレンジングなウイスキー造りが高く評価された。
ベスト・アジアン・
ディスティラリー・オブ・ザ・イヤーカバラン蒸留所
Kavalan Distillery
ベスト・アジアン・
ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー
カバラン蒸留所
Kavalan Distillery
最高金賞、ベスト・オブ・ザ・ベストの常連でもあるアジア最大の蒸留所
今回から新たに設けられたのが、日本を除くアジアのベスト・ディスティラリー賞。昨年はワールドのベスト蒸留所に選ばれた台湾のカバラン蒸留所が、カテゴリーは違うが2年連続でベスト・ディスティラリー賞に輝いた。カバラン蒸留所が生産を開始したのは2006年3月のこと。初めてのシングルモルトが販売されたのが2008年12月で、以来世界中のコンペで数々の賞を受賞してきた。このTWSCでも30近いボトルのすべてが賞を受賞し、しかも国や地域を超えてシングルモルトの1位を決める「ベスト・オブ・ザ・ベスト」において、過去5年間で、3回1位になるという快挙を成し遂げている。このベスト蒸留所賞においても、これで3回目の受賞ということになり、その快進撃はとどまることを知らないかのようだ。オープン当初から観光客の受け入れにも積極的で、年間100万人近い見学客が蒸留所を訪れるという。モルトウイスキー蒸留所としては、世界10大蒸留所の1つに数えられていて、独自のクーパレッジも稼働。自前で樽の補修、STR処理ができるようになっているところも、大いに評価された。
ベスト・ワールド・
ディスティラリー・オブ・ザ・イヤーレイクス蒸留所
Lakes Distillery
ベスト・ワールド・
ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー
レイクス蒸留所
Lakes Distillery
イギリス最大の観光地、湖水地方に 誕生した美しいクラフト蒸留所
スコットランドと国境を接する湖水地方は年間3,000万人もの観光客が訪れる、英国屈指の観光地。大小無数の湖が山々の間に点在し、緑の牧草地では羊がのんびり草を食んでいる。世界最大の環境保護団体、ナショナルトラスト発祥の地でもあり、『ピーターラビット』の物語の舞台としても有名だ。そんな湖水地方の北端、ダーウェント川の畔に2014年にオープンしたのが、その名もレイクス蒸留所。レイクスとは湖水地方の英語名だ。創業者はスコッチのアラン蒸留所を創業したハロルド・カリー氏の息子ポール氏で、スコッチの造りに倣いつつも、イングリッシュウイスキー独自の個性も追求している。スチルは初留、再留1基ずつの計2基だが、シェル&チューブのコンデンサー(冷却装置)は、銅とステンレスの両方があり、目指す酒質によって切り替えることができるようになっている。さらに観光客招致にも積極的で、150名を収容できるレストランは、湖水地方随一ともいわれる有名店だ。年間5万人以上の観光客が訪れるという、人気の蒸留所となっている。
新しい取り組みや、チャレンジングな試みにスポットを当て、その年に話題となった蒸留所に対して与えられる賞。
新潟亀田蒸溜所
Niigata Kameda Distillery
新潟亀田蒸溜所
Niigata Kameda Distillery
“はんこの大谷”で知られる日本一のハンコメーカーが異業種チャレンジで2021年にオープンしたもので、当初ははんこ工場の一角で、スチル2基でスタートしたが、現在はモルトウイスキーだけでなく、米や他の穀物、さらにラムなどを造るハイブリッドスチルも導入し、あらゆるスタイルのウイスキー、スピリッツ造りを目指している。しかも地元・新潟の“ゆきはな六条”という六条大麦を使い、それらを麦芽に加工する自動製麦装置を入れるなど、飽くなき挑戦を続けている。生産を開始してまだ2年ほどだが、そのウイスキー造りの姿勢、チャレンジ精神は高く評価されている。
SAKURAO DISTILLERY
Sakurao Distillery
SAKURAO DISTILLERY
Sakurao Distillery
SAKURAO DISTILLERYは広島県の廿日市市に2017年にオープンした蒸留所で、本格的にウイスキー造りに参入するにあたり、中国醸造から社名をあえてサクラオブルワリー アンド ディスティラリー(サクラオB&D)に変更。これは世界市場を見据えたもので、モルトウイスキーだけでなく、ジンやグレーンウイスキー造りにも挑戦。当初はジン用のハイブリッドスチル1基でモルトも、ジンも造っていたが、現在は2基に増設し、生産体制を強化している。さらに今回選ばれたのは、2019年にグレーン造りにも挑戦し、モルトやジンとは別の独自のスチルを導入したことだ。ステンレス製焼酎蒸留器と、連続式のコラムスチルを組み合わせた独自のスチルで、これで麦(丸麦)を主原料とした本格国産グレーンウイスキー造りを行っている。もともと桜尾と戸河内という2種類のシングルモルトをリリースしているが、これにグレーンが加わった、サクラオB&Dのシングルブレンデッドがリリースされる日も近いのかもしれない。
その年においてSDGsに積極的な取り組みをしている蒸留所に対して与えられる賞。
尾鈴山蒸留所
Osuzuyama Distillery
尾鈴山蒸留所
Osuzuyama Distillery
本格焼酎の「百年の孤独」「中々」などで知られる高鍋町の黒木本店が、本店蔵とは別に尾鈴山山中に1998年に建てたもの。当初は芋・麦・米の焼酎を造っていたが、2019年にウイスキーの蒸留を行う設備を新たに追加し、ウイスキー造りにも乗り出している。同社は「甦る大地の会」という農業法人も持っていて、ウイスキーの原料となるすべての大麦を自社畑で栽培し、さらに温室内で手作業でそれを麦芽に加工している。それもステンレス製のバット(器)を使った製麦で、フロアモルティングならぬ“ボックスモルティング”である。究極の地産地消、テロワールを表現したウイスキーで、その点が高く評価された。
東京リバーサイド蒸溜所
Tokyo Riverside Distillery
東京リバーサイド蒸溜所
Tokyo Riverside Distillery
東京リバーサイド蒸溜所は、浅草の蔵前に2021年にオープンしたジンの蒸留所で、運営するのはエシカル・スピリッツ社。同社の取締役で蒸留責任者の山口歩夢氏は、今もっとも注目される若手のジン製造者で、「Forbes JAPAN」が選ぶ日本発「世界を変える30歳未満」の30人の1人にも選ばれている(フード部門)。エシカル・スピリッツ社がジンのベーススピリッツとして使用するのは、日本酒の酒蔵で廃棄される酒粕。日本には1,200を超える酒蔵があり、そこで廃棄される酒粕は膨大な量になる。そこに目をつけたのが山口氏で、自ら全国の酒蔵を回り、これはという酒粕を集めたのだという。さらに酒粕だけでなく、コロナ禍で余ったビールをベーススピリッツに、そしてカカオ豆の皮など廃棄処分となった原料をボタニカルに使ったりと、独自のジンの世界を築いている。そのジンは世界中のジン愛好家から“飲む香水”と称されるほど、人気を集めているのだ。
その年において観光客や見学者の受け入れ、ツアーなどに積極的な取り組みをしている蒸留所に対して与えられる賞。
三郎丸蒸留所
Saburomaru Distillery
三郎丸蒸留所
Saburomaru Distillery
1952年にウイスキー造りに参入した若鶴酒造の三郎丸蒸留所で、昨年のTWSCでは世界初の鋳物のスチル、「ZEMON」がイノベーション賞に輝いた。ここは毎日見学ツアーを行い、さらに大正時代の蔵を改造したショップや、「令和蔵」と呼ばれるレストランが充実していることで知られている。地元富山産の山海の素材を使った本格的食事処で、ご飯はすべて薪による釜炊きというこだわりようだ。コロナ禍の2022年も年間2万人以上が訪れたというから、その力の入れよう、評判のほどが伝わってくる。
ニセコ蒸溜所
Niseko Distillery
ニセコ蒸溜所
Niseko Distillery
北海道ニセコ町に2019年(生産開始は2021年)に創業したニセコ蒸溜所。ここは「八海山」で知られる新潟・魚沼の八海醸造のグループ会社で、昨年は「蒸留所デザイン賞」に輝いている。ニセコアンヌプリ山の雄大な自然に抱かれた美しい蒸留所で、ここも日に2~3回の無料の見学ツアーを行っている。蒸留所は大屋根構造で、その屋根の下にウイスキーやジンの製造設備が配置され、それを見ながら特設バーで、ウイスキーやジンをはじめとする酒を飲むことができる。お土産も新潟三条の金物をはじめ、日本各地の伝統工芸品を扱っており、ニセコを訪れる外国人観光客にも人気だ。見学ツアーは事前予約が必要だが、それ以外は誰でも入ることができ、地元の人々にも親しまれている。
新しく登場した蒸留所の中から話題性のある蒸留所に対して与えられる賞。
野沢温泉蒸留所
Nozawa Onsen Distillery
野沢温泉蒸留所
Nozawa Onsen Distillery
日本で唯一、村名に温泉とつく長野県北部の野沢温泉村に誕生した蒸留所で、当初はタスマニア産の極小スチルでジンを蒸留していたが、2022年暮れにウイスキー用の設備を導入し、今年1月から本格的ウイスキー造りに取り組んでいる。オーナーは地元在住のオーストラリア人で、地元の有志からの出資も得てスタート。蒸留責任者として招聘されたのが米田イサム氏、通称サムさんで、サムさんは日本人の父とスコットランド人の母をもち、しかも母はキャンベルタウンの出身だという。あらゆる穀物が使えるよう通常のモルトミルではなく、ハンマーミルを導入し、濾過も最新鋭のマッシュフィルターを設置。革新的なウイスキー造りに挑んでいる。
蒸留所の建物そのものの優れたデザインに対して与えられる賞。
御岳蒸留所
Ontake Distillery
御岳蒸留所
Ontake Distillery
蒸留所部門のデザイン賞に選ばれたのは、鹿児島県の御岳蒸留所。ここは芋焼酎の「宝山」シリーズや、「天使の誘惑」で知られる西酒造が2019年オープンさせた蒸留所で、同社所有のゴルフコースの一角に建てられている。御岳とは鹿児島のシンボルでもある桜島のことで、眼下にその御岳を望む絶景の地に建てられている。デザイン賞に選ばれたのは、その雄大な自然に溶け込むように設計されたデザインコンセプトが斬新で、かつ景観にも配慮されていること。温廃水の冷却のための人工池を設けたり、ゴルフ場と一体化させた、そのサステナビリティが高く評価されたからだ。設備はすべて三宅製作所製で最新の知見が生かされたその技術力、さらにデザイン性、独自性も評価に値する。蒸留所デザイン賞として求められるのは、外見の美しさ、デザイン性だけでなく、蒸留所本来の機能、そして内部の美しさも不可欠であることを、この御岳蒸留所は見事に証明している。