審査員と実行委員会の採点をもとに審議し、
最高金賞・金賞・銀賞・銅賞、特別賞などを決定します。
TWSC2022<洋酒部門>
特別賞
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国や地域を超え、そのカテゴリーの中でのNo.1を獲得したアイテムに対して与えられる賞。
【SINGLE MALT】76.146 月明かりの下で セビジャーナスを踊る
76.146 Dancing Sevillanas in the moonlight
【SINGLE MALT】
76.146 月明かりの下で セビジャーナスを踊る
76.146 Dancing Sevillanas in the moonlight
アルコール度数:50.7%
出品企業:The Scotch Malt Whisky Society
生産国(地):スコットランド
【BLENDED WHISKY】響 21年
Hibiki 21YO
【JAPANESE GIN】ROKU(六)
Roku
そのカテゴリーの最高得点かつ銀賞受賞以上のもの、さらに実行委員会が賞を与えるのが妥当と認めるアイテムに対して与えられる賞。
スコッチウイスキー/シングルモルト/ノンエイジグレンファークラス 185周年記念ボトル
Glenfarclas 185th Anniversary
スコッチウイスキー/シングルモルト/ノンエイジ
グレンファークラス 185周年記念ボトル
Glenfarclas 185th Anniversary
アルコール度数:46%
出品企業:ミリオン商事株式会社
生産国(地):スコットランド
スコッチウイスキー/シングルモルト/12年以下ブルックラディ ジ・オーガニック 2010
Bruichladdich The Organic 2010
スコッチウイスキー/シングルモルト/12年以下
ブルックラディ ジ・オーガニック 2010
Bruichladdich The Organic 2010
アルコール度数:50%
出品企業:レミー コアントロー ジャパン株式会社
生産国(地):スコットランド
スコッチウイスキー/シングルモルト/21~30年グレンフィディック 21年
Glenfiddich 21 YO
スコッチウイスキー/シングルモルト/21~30年
グレンフィディック 21年
Glenfiddich 21 YO
アルコール度数:40%
出品企業:サントリー株式会社
生産国(地):スコットランド
スコッチウイスキー/シングルモルト/ボトラーズ76.146 月明かりの下で セビジャーナスを踊る
76.146 Dancing Sevillanas in the moonlight
スコッチウイスキー/シングルモルト/ボトラーズ
76.146 月明かりの下で セビジャーナスを踊る
76.146 Dancing Sevillanas in the moonlight
アルコール度数:50.7%
出品企業:The Scotch Malt Whisky Society
生産国(地):スコットランド
スコッチウイスキー/ブレンデッド/ノンエイジジョニーウォーカー ダブルブラック
Johnnie Walker Double Black
スコッチウイスキー/ブレンデッド/ノンエイジ
ジョニーウォーカー ダブルブラック
Johnnie Walker Double Black
アルコール度数:40%
出品企業:ディアジオ ジャパン株式会社
生産国(地):スコットランド
スコッチウイスキー/ブレンデッド/12年以下ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年
Johnnie Walker Black Label 12 YO
スコッチウイスキー/ブレンデッド/12年以下
ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年
Johnnie Walker Black Label 12 YO
アルコール度数:40%
出品企業:ディアジオ ジャパン株式会社
生産国(地):スコットランド
スコッチウイスキー/ブレンデッド/21~30年バランタイン 30年
Ballantine's 30 YO
アイリッシュウイスキー/シングルモルトダンヴィルズ 12年 PX カスク
Dunville's PX 12 YO
アイリッシュウイスキー/シングルモルト
ダンヴィルズ 12年 PX カスク
Dunville's PX 12 YO
アルコール度数:46%
出品企業:タイタニックホールディングス株式会社
生産国(地):アイルランド
アイリッシュウイスキー/ブレンデッドライターズティアーズ ダブルオーク
Writers' Tears Double Oak
アイリッシュウイスキー/ブレンデッド
ライターズティアーズ ダブルオーク
Writers' Tears Double Oak
アルコール度数:46%
出品企業:リードオフジャパン株式会社
生産国(地):アイルランド
アメリカンウイスキー/バーボンワイルドターキー レアブリード
Wild Turkey Rare Breed
アメリカンウイスキー/バーボン
ワイルドターキー レアブリード
Wild Turkey Rare Breed
アルコール度数:58.4%
出品企業:CT Spirits Japan 株式会社
生産国(地):アメリカ
アメリカンウイスキー/ライジェームズ E ペッパー 1776 ライ
James E. Pepper 1776 Rye
アメリカンウイスキー/ライ
ジェームズ E ペッパー 1776 ライ
James E. Pepper 1776 Rye
アルコール度数:50%
出品企業:日本酒類販売株式会社
生産国(地):アメリカ
ジャパニーズウイスキー/シングルモルト/ノンエイジ嘉之助 2021 ファーストエディション
Kanosuke 2021 First Edition
ジャパニーズウイスキー/シングルモルト/ノンエイジ
嘉之助 2021 ファーストエディション
Kanosuke 2021 First Edition
アルコール度数:58%
出品企業:小正嘉之助蒸溜所株式会社
生産国(地):日本
ジャパニーズウイスキー/シングルモルト/13~20年山崎 18年
Yamazaki 18 YO
ジャパニーズニューメイクスピリッツ日の丸ウヰスキー ブレンデッド ニューボーン 2022
Hinomaru Whisky Blended New Born 2022
ジャパニーズニューメイクスピリッツ
日の丸ウヰスキー ブレンデッド ニューボーン 2022
Hinomaru Whisky Blended New Born 2022
アルコール度数:48%
出品企業:木内酒造株式会社
生産国(地):日本
タイワニーズウイスキー/シングルモルト/ノンエイジカバラン ソリスト モスカテルシェリー カスクストレングス
Kavalan Solist Moscatel Sherry
タイワニーズウイスキー/シングルモルト/ノンエイジ
カバラン ソリスト モスカテルシェリー カスクストレングス
Kavalan Solist Moscatel Sherry
アルコール度数:57.1%
出品企業:Kavalan Distillery
生産国(地):台湾
ヨーロピアンウイスキー/シングルモルトテーレンペリ クロ
Teerenpeli Kulo
ワールドブレンデッドウイスキー/ブレンデッドモルト963 セレクトリザーブ ファーストエディション
963 Select Reserve 1st Edition
ワールドブレンデッドウイスキー/ブレンデッドモルト
963 セレクトリザーブ ファーストエディション
963 Select Reserve 1st Edition
アルコール度数:46%
出品企業:福島県南酒販株式会社
生産国(地):スコットランド
ワールドブレンデッドウイスキー/ブレンデッドレイクス ザ・ワン シェリー カスクフィニッシュ
Lakes The One Sherry Cask Finished
ワールドブレンデッドウイスキー/ブレンデッド
レイクス ザ・ワン シェリー カスクフィニッシュ
Lakes The One Sherry Cask Finished
アルコール度数:46.6%
出品企業:雄山株式会社
生産国(地):イングランド
ブランデー/コニャックレミーマルタン テルセ
Rémy Martin Tercet
ブランデー/ピスコクアトロ・ガヨス
Cuatro Gallos Pisco Puro Italia
ブランデー/その他ユーシャン クラフトマン ブランデー オレンジ
Yushan Craftsman Orange Brandy
ブランデー/その他
ユーシャン クラフトマン ブランデー オレンジ
Yushan Craftsman Orange Brandy
アルコール度数:40%
出品企業:Taiwan Tobacco & Liquor Corporation
生産国(地):台湾
ラム/ホワイトディプロマティコ プラナス
Diplomatico Planas
ラム/ダーク・エイジド/3~8年ディプロマティコ マントゥアノ
Diplomatico Mantuano
ラム/ダーク・エイジド/16年以上アプルトン エステート 21年
Appleton Estate 21 YO
ラム/ダーク・エイジド/16年以上
アプルトン エステート 21年
Appleton Estate 21 YO
アルコール度数:43%
出品企業:CT Spirits Japan 株式会社
生産国(地):ジャマイカ
ラム/ダーク・エイジド/ソレラシステムロン サカパ XO
Ron Zacapa XO
アガベスピリッツ/100%アガベテキーラ/ブランコドン・フリオ ブランコ
Don Julio Blanco
アガベスピリッツ/100%アガベテキーラ/ブランコ
ドン・フリオ ブランコ
Don Julio Blanco
アルコール度数:38%
出品企業:ディアジオ ジャパン株式会社
生産国(地):メキシコ
アガベスピリッツ/100%アガベテキーラ/レポサドカスカウィン タオナ レポサド クアトロ
Cascahuin Tahona Reposado Cuatro
アガベスピリッツ/100%アガベテキーラ/レポサド
カスカウィン タオナ レポサド クアトロ
Cascahuin Tahona Reposado Cuatro
アルコール度数:45%
出品企業:株式会社フィデア
生産国(地):メキシコ
アガベスピリッツ/100%アガベテキーラ/エキストラアネホドン・フリオ 1942
Don Julio 1942
アガベスピリッツ/100%アガベテキーラ/エキストラアネホ
ドン・フリオ 1942
Don Julio 1942
アルコール度数:38%
出品企業:ディアジオ ジャパン株式会社
生産国(地):メキシコ
アガベスピリッツ/その他アカラ アガベ・デ・ロス・アンデス ソルティレヒオ
Aqara Agave de Los Andes Sortilegio
アガベスピリッツ/その他
アカラ アガベ・デ・ロス・アンデス ソルティレヒオ
Aqara Agave de Los Andes Sortilegio
アルコール度数:38%
出品企業:Seghohr Corporation E.I.R.L.
生産国(地):ペルー
ジャパニーズジン/ニュートラルスピリッツベースサクラオ ジン オリジナル
Sakurao Gin Original
ジャパニーズジン/ニュートラルスピリッツベース
サクラオ ジン オリジナル
Sakurao Gin Original
アルコール度数:47%
出品企業:株式会社サクラオブルワリーアンドディスティラリー
生産国(地):日本
ジャパニーズジン/焼酎ベースヨハク
YOHAKHU
イングリッシュジンシップスミス V.J.O.P
Sipsmith V.J.O.P.
ヨーロピアンジンイゾラ ディ ファヴィニャーナ ジン
Isola di Favignana
ヨーロピアンジン
イゾラ ディ ファヴィニャーナ ジン
Isola di Favignana
アルコール度数:41%
出品企業:THE FAVIGNANA FLAVOR COMPANY SAS
生産国(地):イタリア
オセアニアンジンブロークンハート ネイビーストレングス ジン
Broken Heart Navy Strength
オセアニアンジン
ブロークンハート ネイビーストレングス ジン
Broken Heart Navy Strength
アルコール度数:57%
出品企業:BrokenHeartSpirits Ltd.
生産国(地):ニュージーランド
ウォッカシロック
Ciroc
その他のスピリッツ極上堤
Gokujo Tsutsumi
ボトルデザイン、パッケージの優れたデザインに対して与えられる賞。
コストパフォーマンスに優れたアイテムに対して与えられる賞。
SINGLE MALTグレンターナー 12年
Glen Turner 12 YO
BLENDED WHISKYジョニーウォーカー ブラックラベル 12年
Johnnie Walker Black Label 12 YO
BLENDED WHISKY
ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年
Johnnie Walker Black Label 12 YO
アルコール度数:40%
出品企業:ディアジオ ジャパン株式会社
生産国(地):スコットランド
RUMディプロマティコ マントゥアノ
Diplomatico Mantuano
AGAVE SPIRITSドン・フリオ ブランコ
Don Julio Blanco
JAPANESE GINサクラオ ジン オリジナル
Sakurao Gin Original
JAPANESE GIN
サクラオ ジン オリジナル
Sakurao Gin Original
アルコール度数:47%
出品企業:株式会社サクラオブルワリーアンドディスティラリー
生産国(地):日本
バーテンダーが審査した全アイテムの中から最高得点を獲得したものに対して与えられる賞。
造り、話題性、革新性などの観点から、その年において優れた蒸留所に対して与えられる賞。
ベスト・スコッチ・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤーブルックラディ蒸留所
Bruichladdich Distillery
ベスト・スコッチ・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー
ブルックラディ蒸留所
Bruichladdich Distillery
スコッチ初のテロワールを追求。半分近くはアイラ島産大麦
ブルックラディは1881年にアイラ島に創業した蒸留所で、1990年代以降は不遇の時代が続いていたが、2001年に元ボウモア蒸留所のブランドアンバサダー、ジム・マッキューワン氏らが中心となって、復興に成功。以来、スコッチ初となるテロワールを追求し、現在では原料大麦のすべてがスコットランド産で、さらにそのうちの半分近くをアイラ島産で賄っている。2023年までに独自の製麦施設を復活させるとしていて、それができれば文字どおり“100%アイラ産のシングルモルト”の誕生である。また麦芽のピート仕様を変え、クラシックラディ、ポートシャーロット、オクトモアの3種を造っていることでも知られ、その中のオクトモアはフェノール値80 ~ 300ppmという最強のピート麦芽を使うことで、カルト的なファンを増やしている。さらにアイラ島産の22種類のボタニカルを使ったザ・ボタニストというジンも人気で、そんなところも多くの審査員に支持された理由だろう。
ベスト・スコッチ・クラフト・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤーキルホーマン蒸留所
Kilchoman Distillery
ベスト・スコッチ・クラフト・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー
キルホーマン蒸留所
Kilchoman Distillery
“100%アイラ産ウイスキー”を謳うことができる唯一の蒸留所
キルホーマンがアイラ島に創業したのは2005年のこと。当時はクラフトという言葉は一般的でなかったので、マイクロ蒸留所といわれていた。ワンバッチの仕込みは麦芽1.2トンと、今でも最小規模。今回選ぶにあたって既存蒸留所とクラフト蒸留所の、2つにエントリーしたのもそのためだ。サイズも造りもクラフト的だが、当時クラフト蒸留所という言葉はまだ使われていなかった。キルホーマン最大の特徴は原料の大麦から製麦、仕込み、蒸留、熟成、そして瓶詰めまで、すべて蒸留所で行っていること。これはアイラ唯一で、そのため“100%アイラ産”を謳うことを可能にしている。ただし自家製麦(フロアモルティング)で賄える麦芽はまだ少量で、大部分は同じアイラのポートエレン製麦所から仕入れている。自家製が20ppmなのに対し、ポートエレン製は50ppmだ。コロナ前の2019年に生産設備を倍増させ、現在は年間65万リットルの生産を可能にしている。ただし、これはカリラの10分の1程度でしかない。
ベスト・アイリッシュ・クラフト・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤーティーリング蒸留所
Teeling Distillery
ベスト・アイリッシュ・クラフト・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー
ティーリング蒸留所
Teeling Distillery
125年ぶりにダブリンに誕生した、ティーリング家が手がける蒸留所
アイリッシュウイスキー復興に大きな足跡を残してきたティーリング家が、2015年7月にダブリンにオープンさせたのが、ティーリング蒸留所。新規に建てられた蒸留所としては、ダブリンでは125年ぶりのことだったという。創業したのはクーリー蒸留所(現ビームサントリー)を1987年に創業した、ジョン・ティーリング氏の2人の息子、ジャックとスティーブンだったが、2017年にはバカルディ社が過半数の株式を取得し、現在は同社の傘下蒸留所となっている。造っているのはシングルモルトと、アイリッシュ伝統のポットスチルウイスキー。そのためのスチルが3基あり、後者の穀物レシピは大麦麦芽50%、未発芽大麦50%だという。年間の生産能力は50万リットル。100%ティーリング産のシングルポットスチルウイスキーは発売されているが、シングルモルトやグレーンウイスキーは元々クーリー蒸留所で造られていた原酒を使ったものだという。ビジターセンターが非常に充実しているのも、人気の理由だ。
ベスト・ジャパニーズ・クラフト・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー厚岸蒸溜所
Akkeshi Distillery
ベスト・ジャパニーズ・クラフト・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー
厚岸蒸溜所
Akkeshi Distillery
道東の雄大な自然に抱かれた世界が注目する蒸留所
秩父の3連覇を阻んだのが道東の厚岸町に2014年に創業した厚岸蒸溜所だ。同年試験熟成を開始し、2016年11月から本格的に蒸留を開始。マッシュタンから発酵槽(ステンレス製)、スチルにいたるまですべてスコットランドのフォーサイス社製で、技術者が数ヵ月厚岸に滞在し、技術指導も行っていった。厚岸町は海霧が発生しやすく、その気候風土はスコットランドのアイラ島によく似ている。麦芽はスコットランド産がメインだが、地元厚岸産の二条大麦りょうふうを一部使うなど、テロワールにも力を入れている。2022年からは自社の製麦もスタートさせ、厚岸産のピートを使って麦芽の乾燥を行うという。2020年秋から二十四節気シリーズのボトルを年4回のペースでリリースし、現在までに寒露、雨水、芒種、処暑、立冬、大寒、清明の7種を発売。どれも厚岸らしい力強さと、濃厚なアロマ、フレーバーがあり、発売即完売という状態が続いている。そのポテンシャルの高さは内外のウイスキーファンの誰もが認めるところとなっている。
ベスト・ワールド・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤーカバラン蒸留所
Kavalan Distillery
ベスト・ワールド・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー
カバラン蒸留所
Kavalan Distillery
TWSC最高金賞の常連。台湾にあるアジア最大級の蒸留所
今回初めて審査員の投票で決められたのがワールドのベストディスティラリーだ。実は第1回のディスティラリー賞はインドのポールジョン、2回目がカバランで、3回目となる昨年(2021年)は、イングリッシュウイスキーのコッツウォルズが選ばれていたが、これらはどれも実行委員会の話し合いで決められていた。今回、審査員の投票で初めて選出されたのが、このカバランだ。カバラン蒸留所が台湾の宜蘭県にオープンしたのは2006年のこと。初のシングルモルトは2008年12月に発売されている。ここはシングルモルトに特化した蒸留所で、故ジム・スワン博士がコンサルティングとプランニングを行った。ポットスチルはフォーサイス社製で合計20基。数ではサントリーの山崎、白州の16基を抜いている。生産能力も900万リットルと、単独ではアジア最大の蒸留所となっている。毎年最高金賞、金賞、そしてベスト・オブ・ザ・ベストの常連で、出品された全ての商品が入賞するという、快挙を続けている。
新しい取り組みや、チャレンジングな試みにスポットを当て、その年に話題となった蒸留所に対して与えられる賞。
三郎丸蒸留所
Saburomaru Distillery
三郎丸蒸留所
Saburomaru Distillery
「イノベーション賞」に選ばれたのが、富山県の三郎丸蒸留所と、その鋳物製スチル「ZEMON」である。「ZEMON」は地元高岡市の老子製作所とコラボして作り上げた世界初の鋳物によるポットスチルで、2019年6月から三郎丸蒸留所で稼働している。これはそれまでの鍛造によるスチルと違って、砂で型を作り、それに銅合金を流し込んで作るもので、高い鋳物の技術が要求される。すでに「富山県ものづくり大賞」や素形材産業技術賞の最高賞「経済産業大臣賞」、そして洋酒技術研究会の「洋酒技術研究会賞」など、数々の賞に輝いている。ウイスキーの長い歴史の中でも、画期的な発明で、国内外のウイスキー関係者からも高い注目を集めている。TWSCの第1回授賞として、これ以上ふさわしいものはないだろう。
その年においてSDGsに積極的な取り組みをしている蒸留所に対して与えられる賞。
遊佐蒸溜所
Yuza Distillery
遊佐蒸溜所
Yuza Distillery
「SDGs賞」には、山形の遊佐に2018年に誕生した遊佐蒸溜所が選ばれた。SDGsの開発目標には17の項目が設けられているが、その中で日本が最も遅れていることの1つが、5番目のジェンダー平等かと思われる。世界の蒸留所を見てみると、スコッチもアイリッシュも、そしてアメリカンもウイスキー製造分野における女性スタッフの進出が近年顕著となっている。今では女性の蒸留所マネージャー(所長)やブレンダーは珍しくなく、特に世界最大のスピリッツメーカーであるディアジオ社(本社英国)に、その傾向が顕著にみられる。2019年に新しくダブリンにできたロー&コー蒸留所はディアジオ社の蒸留所だが、主要製造スタッフは全員女性ということで、大きな話題となった。そんな中、2018年に創業したクラフトの遊佐蒸溜所では、当初から製造(仕込み・発酵・蒸留)に関わるスタッフ2名は女性であった。それも地元、山形大学の理系の新卒女性を採用するなど、ジェンダー平等に取り組んできた。「新しいことを始めるには若い力こそふさわしい。男性・女性というのは関係ない」という、創業者の強い意志が働いていたからだろう。
その年において観光客や見学者の受け入れ、ツアーなどに積極的な取り組みをしている蒸留所に対して与えられる賞。
マルス信州蒸溜所
Mars Shinshu Distillery
マルス信州蒸溜所
Mars Shinshu Distillery
ツーリズム賞は、見学者、ツーリズムに力を入れている蒸留所を選ぼうというもので、いま世界の蒸留所のキーワードの1つがツーリズムになっていることから新設された賞である。とはいっても世界中の蒸留所をカバーするわけにはいかないので、これも日本の蒸留所に限定した。最新号の『Whisky Galore』でも特集しているが、ウイスキーとツーリズムは切っても切り離せない関係になっていて、今後ますます重要性が高まるものと思われる。早くから見学者受け入れに積極的だったのが、本坊酒造のマルス蒸溜所(信州・津貫)で、マルス信州蒸溜所はコロナ禍の中の2020年にビジターセンターを大幅リニューアル。今まで以上に観光客誘致、そして地域経済に貢献しようという姿勢を鮮明に見せている。それらを総合して、今回初のツーリズム賞に選ばれた。この賞を新設したことで、これから新しくできるクラフト蒸留所の、1つの指針になればと思っている。
新しく登場した蒸留所の中から話題性のある蒸留所に対して与えられる賞。
井川蒸溜所
Ikawa Distillery
井川蒸溜所
Ikawa Distillery
ニューカマー賞は、まだ3年未満で、ジャパニーズウイスキーの定義に則った製品が出せない蒸留所が対象で(あるいは製品が未発売)、今回は2020年に創業した静岡県の井川蒸溜所が選ばれた。日本有数の製紙会社である特種東海製紙グループの十山(株)が運営するクラフト蒸留所で、大井川の源流のトクサ(木賊)地区に建てられている。ここはグループが所有する日本最大の社有林で、その面積は約244k㎡。東京の山手線の内側の面積の4倍弱の広さがあり、その社有林の中には3000メートルを超える山が10座あることから、十山株式会社と名付けられた。静岡県と山梨県、長野県の県境で、周りの山々は南アルプスの名峰ばかり。蒸留所も標高1200メートルの高地に建てられていて、現時点では日本最高点の蒸留所となっている。ワンバッチの麦芽仕込み量は1トンで、生産設備は日本の三宅製作所が手掛けている。見学者用の順路はできているが、アクセスが非常に悪く(静岡市街から車で5時間)秘境中の秘境ともいえる蒸留所となっている。
蒸留所の建物そのものの優れたデザインに対して与えられる賞。
ニセコ蒸溜所
Niseko Distillery
ニセコ蒸溜所
Niseko Distillery
2021年にオープンしたクラフト蒸留所で、ニセコ町は全国で最も厳しい景観条例が施行されている町。ニセコの大自然に溶けこむような佇まいもさることながら、内部は地元の木材をふんだんに使い、しかも柱のない大屋根で支える構造で、バーカウンターも売店も、そして生産設備(ウイスキーとジン)も、すべて1つ屋根の下に収まり、開放的で大自然にマッチした空間を創り出している。その設計力の高さと、コンセプトの斬新さに圧倒される。これぞまさに、ニセコ発の世界に誇る環境配慮型蒸留所である。