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審査員
中村 圭佑
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洋酒部門
中村 圭佑
シャトー酒折ワイナリー/ウイスキーレクチャラー/ソムリエ(J.S.A)/ワインエキスパート(J.S.A)/SAKE DIPLOMA
TWSC審査の前後で、仕事やプライベート上での新しい気づきや変化はありますか
審査を経験したことで、より丁寧にテイスティングをすることを意識するようになりました。またジンのように多彩なボタニカルをブラインド審査する難しさを再認識し、以前よりもボタニカルの個性を気にするようになりました。
ブラインド審査時の感想や、心がけたことをお聞かせください
ジンのブラインドが難しかったです。特に珍しいフルーティなタイプのジンをテイスティングした時、どの果実によりフルーティと感じるのか判断するのにとても悩みました。ジンの場合はボタニカルとテイスティングコメントが直結する必要があり、他のスピリッツよりテイスティングの正確さが大事だと思いました。
審査を通じて出会ったボトルで、印相的なエピソードを教えてください
バーボンをテイスティングした際、圧倒的に美味しいバーボンがあり印象に残りました。ただあまりに他のバーボンよりも優れていたため、点数の付け方がとても難しかったです。そのバーボンは賞を受賞しましたが、今考えるともっと高得点でも良かったと思っています。
TWSCに対して期待していること、今後の課題を聞かせてください
適切なカテゴリー化やアルコール度数の表示がされていることで、先入観を抑えながら効率よくテイスティングすることができ、とてもよかったです。また基準となるサンプルがあり、採点の際にとても参考になりました。テイスターの力量を高める機会でもあり、スピリッツの個性をより理解し、適切に表現する技術を高めるきっかけにもなりました。今後の課題としては、カテゴリー化が逆に先入観をもたらしてしまう点だと思います。ウイスキーのブレンデッド等の場合、ブレンデッドウイスキーだけでなくブレンデッドモルトやグレーンウイスキーも含まれるため、ブレンデッドウイスキーの先入観が正確なテイスティングの妨げになったように思います。 またTWSCとして評価するスピリッツの方向性を示していただくのも、コンペの特色や評価基準が明確になって良いかと思いました。特にジンのように、ボタニカルによりさまざまなスピリッツの個性が生まれやすい場合に、バランスを評価するのか、それとも個性を評価するのかで大きく評価が変わるものがあると思いました。またウイスキーの場合、ブレンデッドであればバランスを、シングルモルトであれば個性を評価するなど、スタイルの意図にあったスピリッツであるかも評価基準において大切かもしれないと思いました。 コストパフォーマンスの高さも判断材料となるならば、ウイスキーガロアのテイスティングのように、サンプルボトルに価格帯を表示するのも重要な判断材料かと思いました。