• 洋酒審査員

    021 下野 孔明 2022-12-27

    シングルモルト通販モルトヤマ店主/T&T TOYAMA(株)代表取締役社長/ウイスキーレクチャラー

    ジャパニーズウイスキーの出品とその評価に注目しています

    シングルモルトウイスキーの販売やオリジナルのプライベートボトルの販売を行う酒販店「モルトヤマ」の店主、下野孔明さん。近年は、ジャパニーズウイスキー専門のボトラーズ「T&T TOYAMA」を三郎丸蒸留所・稲垣貴彦さんと共同で設立し、オリジナルボトルを発売するなど、次々に新しい試みに挑戦している。TWSCには、2019年の第1回から洋酒部門の審査員として参加している。
    ――― 2022年の一次審査の感想をお聞かせください。

    スコッチウイスキーは、全体的にそつのない仕上がりになっているものが多く、ボディが軽くライトになっている傾向が強いように思います。ジャパニーズウイスキーは、クラフトに関しては、若く荒削りなものや、短期熟成ながら樽のウッディさが強いものが多いのですが、香味が重厚で、飲みごたえがあるものが多いように見受けられました。
    また、スコットランド以外の一部のヨーロッパのウイスキーに関しては、出来の良いものとそうでないものの差が極端で、まだまだ発展途上であるように感じました。

    ――― 審査の際に心掛けた点があれば教えてください。

    審査の際は、極力、減点法ではなくて、加点法という意識で、テイスティングを行いました。洋酒の受賞結果に関しては、全体的に樽のウッディさが強いものやフルーティなものが評価されやすいような傾向があるように思います。

    ――― ジャパニーズウイスキー、スピリッツが盛り上がりを見せていますが、今の状況について感じることがあれば教えてください。

    ジャパニーズウイスキーが人気になって久しいですが、加熱しすぎている部分があり、それと同時に、たまに人気と品質が釣り合っていないような危なっかしさを感じることもあります。

    ――― TWSC2023に向けて注目していることがあれば教えてください。

    ジャパニーズウイスキーの出品が増えてきているので、どのようなボトルが出品され、どのようなクオリティなのか、また他の審査員の方がどのように評価されるか、特に注目をしています。
    ジンの分野においては、ストレートでの評価は当然必要だと思いますが、その一方で、バーであってもジンをストレートで頻繁に召し上がる方は少なく、圧倒的にカクテルベースで用いられるお酒ですので、実際のカクテルとの相性なども考慮する必要があるように思っています。

    文=TWSC事務局

    下野 孔明

    PROFILE

    1983年富山市出身。2013年よりシングルモルト通販「モルトヤマ」の運営を開始。T&T TOYAMA(株)代表取締役社長COO。ウイスキープロフェッショナル、ウイスキーレクチャラー。

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