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  • TWSC2020 ジャパニーズウイスキー等の定義に関するQ&A

    TWSCにおけるジャパニーズウイスキーの定義をご説明いたします。

Q.ジャパニーズウイスキーについて、今回、①ジャパニーズウイスキー、②ジャパニーズニューメイクウイスキー、③ジャパンメイドウイスキーの3つのカテゴリーを設けることにしたと言いますが、それについて教えてください。

A:①のジャパニーズウイスキーは日本の蒸留所(製造所)で糖化・発酵・蒸留・熟成を行ったもので、それぞれのスペックは定義の表を見て下さい。②のジャパニーズニューメイクウイスキーは今回新しく設けるもので、③のジャパンメイドウイスキーとはひと言でいえば日本でブレンド、瓶詰めされたウイスキーのことで、日本産ウイスキー(ジャパニーズウイスキー)に外国産ウイスキーを混ぜてもOKというものです。ただしウイスキーの規定から外れるモラセス(廃糖蜜)原料の醸造用アルコールを加えたものは、ジャパンメイドウイスキーとはなりません。これはそもそも「穀物原料」というウイスキーの定義から外れるからです。また外国産ウイスキーのみをブレンドし、日本産ウイスキーが入っていないものも、ジャパンメイドウイスキーにはなりません。

Q.①のジャパニーズウイスキーから詳しく聞きたいのですが、これは糖化から熟成まで、すべて日本国内の蒸留所(製造所)で行うことが必須というわけですね。その場合、原料の穀物は日本産でなくても構わないと。

A:その通りです。これは日本だけでなく、どこの国のウイスキーも穀物については自国産と限定していません。それはともかく、あくまでも日本の蒸留所で糖化・発酵・蒸留・熟成をさせたウイスキーのみをボトリングしたものが、ジャパニーズウイスキー、日本ウイスキーです。

Q.3年前にウイスキー文化研究所が提唱した熟成3年以上が、今回2年以上となっているのはどうしてですか。

A:これは今回の重要なポイントだと思うのですが、この3年でウイスキーの世界は大きく変わりました。ウイスキーは寒い国、北の大地でしか造れないという、それまでの常識が覆され、台湾やインドという暑い国でも素晴らしいウイスキーができています。逆に今ではスコットランドの蒸留所で、ウェアハウスにヒーターを入れるところもでてきました。スコッチが熟成3年以上と法律で決めたのは1916年のことです。それもロイド・ジョージ内閣の時に、酒の消費量を抑えるために取られた措置で、品質を確保するための法律ではありません。後発である日本が、スコッチに倣う必要はないと思いますし、今誕生しつつある小規模なクラフト蒸留所を参入しやすくするためにも、熟成2年が日本独自の方法だろうと思います。つまり、スコッチとは違うジャパニーズウイスキーのオリジナリティーを出すためにも、あえて1年短い2年としました。もちろん、これはあくまでもTWSCのカテゴリーの定義です。

Q.なるほど、2年でもスコッチの5~6年に匹敵するウイスキーができるという考え方ですね。では、もう1つ700リットルという熟成樽の容量を今回撤廃しているのはどうしてですか。それと、あえて樽とは別の木製の容器という言い方もしていますが、それはどうしてですか。

A:700リットルというのもスコッチに倣った数字ですが、よくよく考えてみたら、これも根拠がよく分かりません。おそらく当時スコッチが使っていた最大の樽が、シェリーのソレラ樽(1番下のソレラタブラか、その上のクリアデラ樽)で、その容量は650リットルくらいだったからではないでしょうか。だとすると、ジャパニーズウイスキーのこれからの可能性を考えれば、容量の規定は要らないんじゃないかと。それと木製の容器でも良いとしたのは、ダブルアーチ構造を持つ洋樽だけでなく、大きな桶のようなものでも熟成ができるとしたほうが、より自由で、より可能性がでてくると思ったからです。ダブルアーチ構造、いわゆる側板の曲げ加工が必要な洋樽は硬くて丈夫なオーク材が一番適していますが、曲げ加工を必要としない日本の桶なら、オーク以外の様々な木材が使えます。だから700リットルという容量の上限も、樽に限定するという表現も、我々が考えるジャパニーズウイスキーの定義には必要ないと考えたからです。これも新しく参入するクラフトと、ジャパニーズウイスキーの可能性を広げたいためでもあります。

Q.なるほど、700リットルを超える木製の桶でもよく、そして熟成も2年以上でジャパニーズウイスキーと呼称できるということですね。その場合、例えばウッドチップとか、インナーステイブとかは考えていますか。

A:定義には謳っていませんが、ウッドチップも、樽や桶の中に入れるインナーステイブも現時点ではスコッチと同様、認めない方針でいく予定です。ただ、これにはもう少し時間の経過を見る必要があるのと、議論が必要かもしれませんね。

Q.それでは②のジャパニーズニューメイクウイスキーについて。

A:これも小規模なクラフトのためですが、新しく登場してくるクラフト蒸留所を、TWSCとして応援したいという気持ちがありました。今年の第1回TWSCで、カテゴリーになかった「嘉之助のニューポット」を“ベスト・ニューカマー”として表彰したのも、その表れです。2年経って、正式にジャパニーズウイスキーと決定される前のニューメイクにも美味しいもの、将来的な可能性を秘めたものがあります。それらを表彰しようというのが、このカテゴリーの新設の理由です。もちろん、アタマに“ジャパニーズ”と付く以上、熟成2年以上というところ以外は、すべて①のジャパニーズウイスキーの定義を満たしていないといけません。つまり、外国産の原酒や、モラセス原料の醸造用アルコールを入れたものは、このジャパニーズニューメイクウイスキーにはなりません。

Q.これはサンプルの状態で出品することはできるのですか。

A:あくまでも市販しているもの、市販を予定しているものに限られます。樽出しのサンプルでは出品できません。これはジャパニーズウイスキーに限ったことではなく、他のカテゴリーも同様で、それがTWSCの基本方針です。

Q.では今回のカテゴリーで一番わかりづらいと思うのですが、③のジャパンメイドウイスキーというのは、どういうものを言うのですか。

A:これについては、いろいろと迷いました。第1回のTWSCでは、この部分はあいまいで、最終的にはワールドウイスキーとして出品してもらいました。しかしワインに「日本ワイン」と「国内製造ワイン」があるように、日本製ウイスキーにも、純国産とそうでないものがあってもいいのではないかと思いました。外国産のウイスキー原酒を使って日本人ブレンダーが、日本でブレンドする。日本時のブレンド技術は世界一だとも思いますから、その点も楽しみですね。ということで、ジャパンメイドウイスキーは、外国産のウイスキー原酒を、日本でジャパニーズウイスキーとブレンドして造られたもののことを指します。あくまでも日本でブレンドし、そして日本でボトリングしたものであることが条件です。

Q.外国産ウイスキー原酒といっているのは、たとえばスコッチやアイリッシュ、アメリカン、カナディアンなどですか。それ以外の国のウイスキーもOKですか。

A:多いのはスコッチだと思いますが、もちろん、それ以外の5大ウイスキー、台湾やインドなどのその他の国々のウイスキーもOKです。ただし、何度も言うようですが、「穀物を原料とした蒸留酒で、木製樽で熟成させたもの」という、世界共通のウイスキーの定義内で造られていることが条件です。スコッチはオーク樽と言ってますが、それ以外の木樽、もしくは木製容器で構いません。

Q.たとえばスコッチだと、スコットランドでブレンドした、バルクのブレンデッドなどもありますが、これはOKなのですか。

A:向こうですでにブレンドしたものをバルクで入れても、それにジャパニーズウイスキーをブレンドすれば、ジャパンメイドウイスキーとなります。もちろん、ジャパニーズウイスキーが一滴も入らないものは、たとえそれを日本人のブレンダーが、日本でブレンドして瓶詰めしても、残念ながらそれはジャパンメイドウイスキーとはなりません。

Q.つまりTWSCのカテゴリーの中では、純国産のジャパニーズウイスキー2種と、いわば混血のジャパンメイドウイスキーの計3種類のカテゴリーがあるというわけですね。そしてジャパニーズウイスキーが一滴も入らないものは、たとえ日本人ブレンダーが日本でブレンドしても、それはワールド、あるいは原産地のウイスキーと名乗るしかないということですね。

A:その通りです。スコッチのシングルモルト以外は、ブレンデッドもグレーンも、そしてアイリッシュもアメリカン、カナディアンも、原産国でのボトリングが義務付けられていませんから、日本でボトリングしても、スコッチウイスキーであり、アイリッシュ、バーボン、カナディアンを名乗れます。

Q.ということは反対にジャパニーズウイスキーを海外に持っていって、そこで瓶詰めしてもジャパニーズウイスキーを名乗れるということですか。

A:そこまでは、まだ考えていません(笑)。また、それを決めるのは我々の仕事ではないと思っています。そのためにもJWA(ジャパニーズウイスキー協会)が必要だと思いますが、まだ先の話ですね。

Q.分かりました。話はもどりますが、ジャパンメイドウイスキーには、そうするとシングルモルト、シングルグレーンは存在しないということですね。

A:複数の原酒を混ぜることが前提となっているので、その通りです。

Q.外国産のウイスキーにジャパニーズウイスキーを混ぜる…。その場合の比率とかはあるのですか。たとえばジャパニーズが全体の50%以上とか。

A:それは考えていません。一滴でもと言いましたが、将来的にはジャパニーズが少なくとも10%とか、20%とかという比率を設ける必要があるかもしれないですね。どれだけ、このカテゴリーのウイスキーが造られるかにもよります。しばらくは、比率は決めずにおこうと思っています。

ジャパニーズウイスキーの定義について、こちらも合わせてご確認ください。
https://tokyowhiskyspiritscompetition.jp/definition/