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ベスト・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー ノミネート蒸留所一覧
ベスト・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤーにノミネートされた蒸留所をご紹介します。
ベスト・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー
東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2020では、本審査とは別に「特別賞」として、「ベストスコッチ・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー」および「ベストスコッチ・クラフトディスティラリー・オブ・ザ・イヤー」等を設けています。
下記に各賞のノミネート蒸留所の蒸留所名およびノミネート理由を掲載しておりますので、ご参照ください。
1.ベストスコッチ・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー
スコットランドの既存のウイスキー蒸留所の中から、その造り、話題性、革新性などあらゆる観点から、候補となる30の蒸留所をリストアップしました。こちらは、“ベストスコッチ・ディスティラリー・オブ・ザ・イヤー”として、2019年のベスト蒸留所を選び、その蒸留所を表彰します。
番号 | 蒸留所名 | ノミネート理由 |
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1 | アバフェルディ | デュワーズのキーモルトとして有名。デュワーズの歴史を知ることができるデュワーズセンター(博物館)は必見。トーマス・デュワーや初期のポスターなど、コレクションも充実している。シングルモルトとしても、人気が高い。 |
2 | アードベッグ | 言わずと知れたアイラの人気No1蒸留所。売店やカフェも充実。ドラフ入りのパンも美味。現在、蒸留所の拡張工事が進行中で、スチルが倍の4基となり、生産量も現在の倍に。 |
3 | アードモア | ティーチャーズ社が自社の原酒を確保するために1890年代に東ハイランドのケネスモントに建設。ハイランドでは珍しいピート麦芽の「アードモア」と、ノンピートの「アードレア」を造っている。現在はビームサントリーの所有で、ワールドウイスキー「碧Ao」の原酒の1つとなっている。 |
4 | バルヴェニー | グレンフィディックの姉妹蒸留所で、スペイサイドでフロアモルティングをしているのは、こことベンリアックくらい。テイスティングツアーも充実している。TUNシリーズなど話題のボトルも多く、熱狂的なファンも多い。 |
5 | ベンリアック | ブラウンフォーマン社が買収して、さらに内容も充実。少量だがフロアモルティングも再開している。毎年出されるヴィンテージシリーズは人気(日本での販売は停止中)。 |
6 | ボウモア | アイラ最古の蒸留所で1994年からサントリーが所有。今でもフロアモルティングを行い“アイラの女王”と称される。創業は1779年とアイラ最古を誇る。 |
7 | ブルックラディ | レミーコアントロー社に変わってから、よりテロワールを追求。数々のユニークな製品をリリースしている。ポートシャーロット、オクトモア、そしてアイラ産の大麦にこだわった“アイラバーレイ”など、話題をいつも提供。「ザ・ボタニスト」というジンも造っている。 |
8 | クライヌリッシュ | ブローラの復活も発表されて、ますます注目度はアップ。北ハイランドのブローラの町のはずれに位置する。オイリーでワクシーな風味は“通好み”とも…。ハイランドに生息するヤマネコがシンボル。 |
9 | クラガンモア | スペイサイドの中流域。1869年にジョン・スミスが創業。今でもワームタブ方式の冷却装置を使う。オールドパーの原酒で、オールドパーは今年ブレンデッド18年も出て話題に。 |
10 | グレングラント | イタリアのカンパリ社の資本になってから、ますます設備が充実。ボトリング設備も持ち、仕込みから瓶詰めまで一貫生産を達成している。ヴィクトリアンガーデンは庭園としても超一流。TWSC2019では、メジャーリザーブが高得点に。 |
11 | グレンアラヒー | 元ベンリアックのビリー・ウォーカー氏がペルノリカール社から買収し、見事に復活。スペイサイドの知られざる佳酒。日本でのリリースも始まった。 |
12 | グレンドロナック | ブラウンフォーマン社の買収により、ラインナップが整理された。レイチェル・バリー女史をブレンダーに迎え、シェリー樽にこだわった製品ポリシーが、より鮮明に。2005年まで石炭直火を続けていた。 |
13 | グレンファークラス | 家族経営を続けるスペイサイドの有名蒸留所。熟成はすべてシェリー樽。ファミリーリザーブなどユニークな製品を次々とリリース。ドイツ、日本でファンが多い。TWSC2019では、並いる強豪をおさえ、グレンファークラスのシングルカスク 1989 “ブラック・ジョージ・ラベル”がベスト・オブ・ザ・ベストに。 |
14 | グレンフィディック | シングルモルトの売上げNo1。今日のシングルモルト隆盛の礎を築いた偉大な存在。現在第3蒸留棟の建設が進む。年間販売数がついに140万ケースを突破。 |
15 | ザ・グレンリベット | 政府公認第1号として1824年にスペイサイドのリベット谷に創業。現在第3、第4蒸留棟の建設が進む。グレンフィディックと激しい1位、2位争いをくりひろげている。 |
16 | グレンモーレンジィ | スコットランドで一番背の高いスチルと樽へのこだわりが、世界中にファンを生んでいる。デザイナーカスクやウッドフィニッシュなど、たえず業界に革新をもたらしてきた。さらに2020年には敷地内にライトハウス蒸留所が稼動予定。 |
17 | グレンタレット | エドリントングループからスイスの会社にオーナーが替わり、これからが楽しみなスコットランド最古の蒸留所。ギネスブックに載るウイスキーキャットのタウザーの復活が待ち遠しい…。 |
18 | ハイランドパーク | フロアモルティングとシェリー樽へのこだわり。オークニーという特異な風土が生む究極のオールラウンダーで、世界中に根強いファンがいる。 |
19 | キルホーマン | 2005年に創業したアイラのマイクロディスティラリー。100%アイラ産をうたえる唯一の蒸留所で、大麦も一部は自社農場で育てている。2019年4月にスチルを2基増設し、生産量を倍に。さらにフロアモルティングも本格的に行っている。 |
20 | ラガヴーリン | 1816年創業のアイラの巨人で、ディアジオのクラシックモルトの1つ。16年が長い間定番だったが、2018年これに8年が加わった。 |
21 | ラフロイグ | フロアモルティングを現在も続ける数少ない蒸留所の1つ。チャールズ皇太子御愛飲のモルトウイスキーで、ラガヴーリンとならぶアイラの巨人。 |
22 | ロッホローモンド | モルトとグレーンの両方を1つ屋根の下で造る珍しい蒸留所。しかもそのスチルはローモンドスチルの原型ともいえるもので、非常にユニーク。ゴルフの全英オープンの公式ウイスキーとなっている。 |
23 | マッカラン | ポットスチル36基、200億円をかけた最新鋭の蒸留所が完成したばかり。世界が注目するスコッチのロールスロイス。最近、1926年蒸留の60年物のマッカランがオークションで次々と記録を塗り替えている。 |
24 | モートラック | 職人でも理解するのに半年かかるという2.81回蒸留が特徴。今年パッケージ変更がなされ、より手に入りやすくなっている。ディアジオがタリスカーに次ぐシングルモルトとして現在力を入れている。 |
25 | プルトニー | なんといってもスチルがユニーク。かつてヨーロッパ最大のニシン港だったウィックの町の高台にあり、ニシンがシンボルとなっている。 |
26 | スキャパ | スキャパ湾を見下ろすオークニー第2の蒸留所。こちらもスチルがユニーク。ローモンドタイプの唯一無二のスチルだ。バーボン樽熟成にこだわる。 |
27 | スプリングバンク | 麦芽自給率100%を誇る唯一の蒸留所。キャンベルタウンの伝統を今に伝える貴重な蒸留所で、ロングロウ、ヘーゼルバーンも造っている。 |
28 | ストラスアイラ | キースの町のアイラ川の畔にある蒸留所で、シーバスリーガルのキーモルト。スペイサイド最古を誇る、もっとも絵になる蒸留所の1つ。 |
29 | タリスカー | スカイ島の西岸、カーボストにある蒸留所で、スモーキーでパンチが効いた風味が、多くのタリスカーファンを生んでいる。毎年5万人以上が訪れる人気の蒸留所だ。 |
30 | トマーティン | 日本の宝酒造が所有する蒸留所で、かつてはスコッチ最大を誇った。新シリーズでは焼酎の樽で熟成したウイスキーを出し、話題になっている。 |
2.ベストスコッチ・クラフトディスティラリー・オブ・ザ・イヤー
スコットランドのクラフト蒸留所の中から、その造り、チャレンジ精神、造り手のこだわりなど、あらゆる観点から、候補となる20の蒸留所をリストアップしました。こちらは“ベストスコッチ・クラフトディスティラリー・オブ・ザ・イヤー”として、2019年のベスト蒸留所を選び、その蒸留所を表彰します。
番号 | 蒸留所名 | ノミネート理由 |
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1 | アベラルギー | 名門モリソン家が手がける四半世紀ぶりの蒸留所。大麦は全て自社畑のものを使用し、ローランドスタイルのウイスキーを目指す。 |
2 | アナンデール | 1919年の閉鎖から約100年を経て復活を遂げた名門蒸留所。故ジム・スワン博士がプラン作りをしている。4年の歳月と1000万ポンドをかけて再建。つい最近、初のシングルモルトがリリースされた。 |
3 | アービッキー | 全ての原料を自社畑で賄う「フィールド・トゥ・グラス」を体現する蒸留所。ウイスキーだけでなく、ジン、ウォッカ、ブランデーなど幅広いスピリッツを製造している。最近、スコッチとしては1世紀ぶりとなるライウイスキーをリリース。 |
4 | アードナッホー | アイラ島9番目の蒸留所として2019年春に生産開始。ポットスチルは2基のみだが、長いラインアームと屋外ワームタブが特徴。ワームタブはアイラ島唯一となる。オーナーはボトラーズのハンターレイン社だ。 |
5 | アードナマッハン | ボトラーズのアデルフィー社が建てた本土最西の蒸留所。イチローズモルトの秩父蒸留所に感銘を受け、スコッチでは初となるヨーロピアンオーク製の発酵槽を導入。 |
6 | バリンダルロッホ | マクファーソン・グラント家という名門貴族が造る“シングルエステートモルト”。伝統的な造り方を重視し、屋外ワームタブ方式を採用。バリンダルロッホ城も必見。スペイサイドに誕生した新しいクラフト蒸留所。 |
7 | ボーダーズ | ボーダーズ地方で180年ぶりの蒸留所。ポットスチル、カーターヘッドのジン用スチル、バキュームスチルと3つの異なるタイプのスチルを駆使し、多様なモルト原酒、ジン、スピリッツを造る。ウイスキー用スチルは4基と、クラフトの規模を超えている。 |
8 | ブリュードッグ(ローンウルフ) | 世界的に有名なクラフトビール会社、ブリュードッグ社が手がける唯一無二の蒸留所。奇想天外な“トリプルバルジ”のオリジナルデザインの蒸留器は圧巻。最近ローンウルフから名称を変更した。 |
9 | クライドサイド | 大都市グラスゴーの中心に建設された都市型蒸留所。グラスゴーの象徴であるクライド河のほとりで、ライトでフルーティなローランドタイプのウイスキーを製造する。創業はA.Dラトレーのティム・モリソン家だ。 |
10 | ドーノッホ | クラフト蒸留所の名にふさわしい極小サイズの蒸留所。“イーストおたく”のトンプソン兄弟は独学で酵母の研究を続けている。クラウドファンディングで拡張計画を発表。 |
11 | グレンウィヴィス | 地域住民から出資を受けて建設された、世界初のコミュニティ蒸留所。さらに、ウイスキー製造で必要となる全てのエネルギーを自然エネルギーで賄う、エコ&ローカルな蒸留所。 |
12 | ホーリルード | 元マッカランの所長、デイビッド・ロバートソン氏が手がけるエジンバラの蒸留所で、かつてのローカル鉄道の駅の建物を蒸留所に改築している。スチルの首が異様に長いのが特徴。 |
13 | インチデアニー | 革新的かつ本格的。冬大麦、マッシュフィルター、ローモンドスチルなど革新的な挑戦を試みながら、クラフト蒸留所では異例の200万リットルという生産規模を誇る。 |
14 | アイル・オブ・ハリス | アウターヘブリディーズ諸島のハリス島で唯一の蒸留所。ウイスキーに先立ち販売している「ハリスジン」はジン愛好家にも大好評。 |
15 | アイル・オブ・ラッセイ | スカイ島の隣、ラッセイ島初の蒸留所。古代品種であるベア種やイスケリア種など、大麦の試験栽培にも取り組んでいる。 |
16 | キングスバーンズ | ゴルフの聖地セントアンドリュースのすぐ近くに誕生した蒸留所。異様に長いラインアームからは、典型的なローランドタイプのフローラルで繊細なモルトが生まれる。ウィームス城で知られるウィームス社の所有。 |
17 | リンドーズアビー | スコッチの聖地、リンドーズ修道院の跡地に建設された記念すべき蒸留所。さらに製造のプランニングはあのジム・スワン博士が務めるなど、話題性バツグンの蒸留所。 |
18 | ストラスアーン | スコッチ・クラフト蒸留所ブームの先駆け。2000リットル以下のスチルで初めて認可を受けた蒸留所で、クラフトブームの立役者。スチルはホヤ製が2基のみ。最近ボトラーズのダグラスレイン社が買収した。 |
19 | トラベイグ | 故イアン・ノーブル氏の夢を引きついだ、スカイ島第2の蒸留所で、外観も非常に美しい。フェノール値50ppmというスモーキーなスタイルを目指している。 |
20 | ウルフバーン | 本土最北の蒸留所。華やかでフルーティなウイスキーは、ハイランドにありながらスペイサイドスタイルを目指している。狼のシンボルが特徴的。スコッチモルト販売が日本の正規代理店になっている。 |