2022-06-04
スコッチ【0243夜】もう1つの朝食の定番!?スモークドハドックとスクランブルエッグ
ハドックはスコットランド近海で獲れる鱈の一種で、スコットランド料理には欠かせない食材である。真鱈(コッド)に比べて小さく、値段も安い。塩焼きにしたことがないのでわからないが(そのままで店頭に並ぶことはほとんどない)、肉質、旨味という点では日本のホッケ、あるいはメバルに似ているかもしれない。ハイランドのマレイ湾(北海)一帯で獲れるフィンナン・ハドックが一番美味しいといわれるが、通常はスモークされ、朝食のメニューとなるか、カレンスキンクなどのスープ料理に使われる。もちろん、フィッシュ・アンド・チップスの材料としてもたいへん重要だ。
フィッシュ・アンド・チップスというと、魚は一種だと思われがちだが、魚の種類によって呼び方も変わる。真鱈を使ったのがコッド・アンド・チップスで、ハドックを使えばハドック・アンド・チップス。鰈ならプレイス・アンド・チップスとなり、鮃がソール・アンド・チップス、そして大鮃はハリバット・アンド・チップスとなる。これらはスコットランドというよりイングランドの伝統料理で、近年は真鱈が獲れないこともあり、ハドック・アンド・チップスがほとんどだ(とくにスコットランド)。
それはともかく、スモークドハドックは、ハイティーに欠かせない料理で、ハイティーとはスコットランド版アフタヌーンティーのこと。本来は夕食(サパー)の一種である。アフタヌーンティーにくらべて時間も遅く(アフタヌーンティーは3時から5時くらい。ハイティーは5時から7時)、スコーンやサンドイッチとは別に肉料理やこのスモークドハドックなどが出される。アフタヌーンティーと違って、ハイティーの後には夕食をとらないのがしきたりだ。
スモークドハドック・スクランブルはハドックと、それに添えて出されるスクランブルエッグのこと。味付けは塩・胡椒とウスターソース。バターを塗った薄切りトーストか、オーツケーキの上にのせていただく。最近ではハイティーばかりではなく、ホテルの朝食メニューとしても見かけるようになった。もちろんスクランブルでなく、ポーチドエッグというのもよく見かけるが、軽めの朝食として観光客にも人気が高いという。
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