2022-05-30
スコッチ【0238夜】ロンドンの老舗紅茶店で誕生したスコッチエッグ!!
スコッチウイスキーとともにスコットランドの名産、手軽なスナックの代名詞のように思われているのが、スコッチエッグである。世界中で愛されており、スコットランドのことを知らなくても、スコッチエッグを食べたことがあるという人は、たくさんいるだろう。私の小さい頃に、近所の総菜屋でこれが売っていて、小中学生時代から大好物であった。日本の片田舎の、それこそ佐渡の港町でも、おかずとして売られていたのだから、すごいと言えばすごい話である。もちろん、その頃はスコットランド(イギリス)の伝統料理であることは知らなかった。 1980年代に初めてスコットランドに行って、最初に思い出したのもスコッチエッグである。ところが不思議なことに、スコットランドではほとんど見かけない。実はスコッチエッグが誕生したのはスコットランドではなく、イギリスのロンドン。それも紅茶の老舗として有名な、あのフォートナム&メイソンだという。
同店が誕生したのは1707年。スコットランドがイングランドに併合され、グレートブリテン王国、大英帝国が誕生した年でもある。創業者のウィリアム・フォートナムという人についてはよくわかっていないが、そのフォートナム店がスコッチエッグを考案し、売り出したのが1738年だという。これは固くゆでた卵をソーセージの具材で包み、パン粉をつけて揚げたもので、携帯に便利なことから旅行者の間で評判となり、またたく間にロンドンの人気料理になったのだとか。
スコッチエッグはサラダとともにいただくのが伝統である。とくにピクニックなどでは人気メニューで、ランチタイムのスナックとして、あるいはエールビールやラガーのおつまみに、スコッチエッグを食べるという人も多い。しかし、これがなぜロンドンエッグではなく、スコッチエッグと呼ばれるのかは、今も不明だという。一説ではインド料理がその原型で、ちょうどこの頃、大英帝国がインドを植民地としたことで知られるようになり、それをアレンジしてフォートナムが売り出したのではとも言われているのだが…。
一覧ページに戻る