2022-05-27
アイリッシュ【0235夜】伝説の巨人フィン・マックールが造った、 海へおりる階段状の通り道
北アイルランドのブッシュミルズ蒸留所に行ったら、そこから2キロメートルほど北にあるジャイアント・コーズウェイは、ぜひ訪れたいところ。ここは1986年にユネスコの世界遺産に登録された景勝地で、北アイルランドでは唯一の世界遺産となっている。
面積は約70ヘクタールで、アントリム州の北部海岸一帯が、自然保護区として登録されているが、そこには4万本にもおよぶ柱状の、いわゆる柱状節理が海岸にそって林立し、見るものを圧倒する。もともと地中のマグマが噴出し、それが急激に固まってできたもので、ジャイアント・コーズウェイ、『巨人の通り道』と名付けられたのは、アイルランドの伝説の巨人、フィン・マックールの物語にちなんでいる。
アントリムの海岸から北に40キロメートルも行けば、そこはスコットランドで(最南端のアイラ島)、伝説によればフィン・マックールがスコットランドの伝説の巨人、ベナンドナーとの戦いに赴く際に、海におりる階段として造ったのが、このジャイアント・コーズウェイ、巨人の通り道なのだという。そんな巨人伝説が生まれるほど、ここの石柱群は圧倒的な姿で人々を魅了してきた。現在はイギリスのナショナルトラストが管理・保護しているが、2005年には『ラジオ・タイムズ』誌の読者投票で、イギリスの奇観・景勝地の第4位に選ばれたこともあるという。
もちろん、これと同様の柱状節理はジャイアント・コーズウェイだけでなく、スコットランドのフィンガルの洞窟や(スタッファ島)、その他いくつかのヘブリディーズの島々などにもあるが、スタッファ島へはマル島から観光遊覧船に乗って行くしかなく、その他島々は人里離れた無人島だ。手軽に行くことができる、アクセスが容易で歩いて行くことができるということで、ジャイアントコーズウェイがナンバーワンの景勝地となっているのだ。
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