2022-05-16
スコッチ【0224夜】古代史を塗り替える… オークニーで発見された古代文明の神殿跡!?
オークニー諸島で世紀の大発見——というニュースが報じられ、『ナショナルジオグラフィック』誌が大特集を組んで、表紙にもその写真を掲載したのは、今から8年ほど前の2014年のことだった。それはメインランド島のステネスの立石とリング・オブ・ブロドガーの間の、湖に挟まれた細長い砂洲で、5,500年くらい前の新石器時代の遺跡が発見されたというニュースだった。
近年盛んになっている航空写真、衛星写真の分析で発見された遺跡だが、もともとオークニー諸島には新石器時代から青銅器時代、鉄器時代にかけての遺跡が数多く存在し、考古学者の間では“北のエジプト”と称されるほど遺跡の宝庫だった。ステネスの立石とリング・オブ・ブロドガー、さらにメイズハウ、スカラブレイはユネスコの世界遺産にも登録されている。
ステネスの立石とリング・オブ・ブロドガーは環状列石、いわゆるストーンサークルで、メイズハウは当時の古墳、そしてスカラブレイは今から5,200年ほど前の新石器時代の住居跡で、このてのものとしては最も保存状態が良いとされている。オークニーはヴァイキング文化で知られているが、ヴァイキングが北欧からやって来たのはAD8世紀頃で、その遥か以前から、この島には様々な人が住んでいたのだ。
世紀の発見と考古学者を熱くさせているのは、出土した古代遺跡が、今まで世界中のどこにもない遺跡ではないかと見られているからだ。発掘調査で出土したのは住居跡ではなく、建物の壁の厚さが3メートル近くもある巨大な遺構で、なんらかの宗教的建築、つまり神殿のようなものではないかと推測されている。
もしそうであるなら、エジプトにピラミッドや神殿が築かれる遥か以前に、北の果ての小さな島に、高度な文明を持った謎の人類が暮らしていたことになるのだが…。
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