2022-05-15
スコッチ【0223夜】マクロード家の危機を3度救う妖精の旗とアザラシウォッチング
スカイ島に行ったら、ぜひとも訪れたいのが西海岸にあるダンヴェガン城だ。12世紀に建てられた古い城で、スカイ島の領主マクロード家が800年近くにわたって住み続けている。
この城を有名にしているのが、3代目当主マルコムの時代に妖精からもらったという「妖精の旗(フェアリーフラッグ)」だ。実はマルコムが妖精の娘と結婚し一人息子をもうけたが、その娘はやがて妖精の国へもどることになり、その際に息子の身を案じて残したのが、妖精のフラッグだったという。言い伝えによると、マクロード家に危機が訪れたらこの旗を振ればいい、そうしたら危機を救ってくれるという。ただし、その効力は3回までと決められていて、3回振ったら妖精の国へもどさなければならないのだとか。
マクロード家では過去に、宿敵マクドナルド家との戦いで1度振り、さらに飢饉の際も島民を救うために振ったという。どちらも言い伝えどおり危機から救われたが、それ以来旗は額縁に入れられ、大切に保管されてきた。つまり、まだ3度目は振られていないのだ。さすがに800年近くたって旗は色褪せボロボロになっているが、今でもダンヴェガン城のホールに飾られていて、この旗を見ることができる。
マクロード家の子孫(クランの一族も含む)は全世界に散らばっているが、第一次世界大戦、第二次世界大戦の際、当時の当主がこの旗を写真に撮り、それをクランメンバーに送ったというエピソードが残されている。その写真を持って戦地に赴けば、妖精の旗が命を救ってくれるという願いが込められてのことだ。その時のエピソードと実際の写真も飾られているので、城を訪れたら要チェックだ。もちろん城の売店には、その旗のポストカードも売られていて、人気である。
ダンヴェガン城は広大な庭も見どころのひとつで、さらに城の下から小さなボートで、アザラシウォッチングに出ることもできる。妖精ではないが、時間があれば、ぜひアザラシウォッチングもお薦めだ。小型ボートなので、1~2メートルの距離でアザラシを見ることができる。
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