2022-04-04
スコッチ【0203夜】スコットランド版24節気シリーズ!?
北海道の厚岸蒸溜所(堅展実業)が日本の24節気にちなんだボトルを2020年秋からリリースしているが、それと同じように1年間に4回、フォーシーズンのボトルをリリースすると発表したのが、スコットランドのロッホリー蒸留所だ。
ロッホリーは2018年8月に生産開始となった蒸留所で、初の3年物のシングルモルトがリリースされるまで、まったく知られることがなかった蒸留所として、業界で話題となった。場所はローランドのエアシャー北東部で、ここは“バーンズカントリー”として知られるところ。実はロッホリーは同名の農場の中に建てられて蒸留所だが、ここはロバート・バーンズが1777年に一家とともに移り住んだ農場として、バーンズファンには有名な場所だった。
ロバート・バーンズは『スコットランドの国民詩人』といわれる人物で、わずか37年という短い生涯に700を超える作品を残し、今でもスコットランドで絶大な人気を誇っている。誕生日である1月25日前後に、詩人を偲んで行われるのが「バーンズナイト」「バーンズサパー」と呼ばれる催しで、この日は詩人が愛したハギスを食べ、スコッチウイスキーで乾杯するというお祝いの会が全世界で開かれる。
そのバーンズ一家が小作農として農業を営んでいたのがロッホリーで、実は蒸留所初のシングルモルトは1月25日のバーンズの日に合わせて発売され、わずか24時間で7,500本がすべて売切れたという。シーズンボトルには、それとは違って、“ソーイングエディション、ハーベストエディション、ファローエディション、プローイングエディション”の4種が発売される予定。ソーイングとは種蒔きのことで、ハーベストはもちろん収穫、ファローは休耕のことで、プローイングは畑を耕すことである。それぞれ春、夏、秋、冬に販売されるという。厚岸の寒露、雨水、芒種、大寒などとは違うが、それぞれ樽選びで香味に特徴を持たせるというから楽しみだ。
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