2021-12-04
アメリカン【0187夜】バレル樽1個分のバーボンのサイズとは
バーボンの蒸留所はスケールが大きすぎてよく分からない――そんな声をよく聞くが、そんな時に、ぜひお薦めしたいのがケンタッキー州クレアモントにあるジムビーム蒸留所だ。実際のサイズの40 分の1というスモールディスティラリーが、本体とは別に稼働していて、クッカーからファーメンター、そしてビアスチル、ダブラーまでひとつ屋根の下で見ることができるのだ。
ジムビームのマッシュビルは公開されていないが、ここではトウモロコシ、ライ麦、大麦麦芽が実際の比率でディスプレイされていて、だいたいの穀物比率を知ることができる。使用するイエローデントコーンはケンタッキー、イリノイ、オハイオ州産などだが、一度の仕込みサイズはマッシュにして約500 ガロン(1890 リットル)。これを小さなクッカーで糖化して、同じく500 ガロンのファーメンター(発酵槽)に移して発酵が行われる。もちろん使う酵母はジムビーム独自の酵母で、毎日ラボから持ってくる。
発酵時間は3日間で、できあがるモロミのアルコール度数は約6%。ファーメンターはステンレス製で3基あるが、マッシュビルもクッカーの仕組みも、隣接する本工場とまったく同じである。スチルはビアスチルとダブラーというバーボン伝統の組み合わせだが、さすがに数メートルの高さになるコラムスチルはそのままでは設置できないので、上部の精留部分は分離させて横に置いている。もちろん内部のシーブトレイや、蒸留の方法もまったく本体と一緒だ。
ローワインが125 プルーフ(62.5%)で、ハイワインが135 プルーフ(67.5%)、それを加水して125 プルーフで樽詰めする。500 ガロンの1回の仕込みで得られるニュースピリッツの量が約53 ガロン(約200リットル)で、これはバレル樽1個分に相当する。
つまりバーボンバレル1樽分の仕込みとは、どのくらいのサイズなのかということを、視覚的に分かりやすく見せてくれるのが、ジムビーム自慢のスモールディスティラリーというわけなのだ。