2021-10-29
スコッチ【0165夜】ブレンデッドスコッチのブランド名について~その①
スコッチのシングルモルトは蒸留所の名前がそのまま付けられたものが大半だが、ブレンデッドはそうはいかない。なぜなら数10のモルト原酒とグレーン原酒を混ぜているから、どれか1つの蒸留所名を使うという訳にはいかないからだ。多いのは、そのブレンデッドを創始した人物か会社名、さらには歴史上の有名な人物や、動物などである。例えばジョニーウォーカーやバランタイン、デュワーズ、ヘイグ、ブキャナンズなどは、その会社を創始した人物から取られているし、シーバスリーガルも、シーバス家にリーガル(王家の、堂々としたの意)を組み合わせたものだ。
動物名を付けた有名なものは、雷鳥マークで知られるフェイマスグラウスや、白馬でお馴染みのホワイトホースなどがある。ブキャナンズのブラック&ホワイトもラベルには白と黒の2匹の犬が描かれている。スコッチのブレンデッドで意外なのが、花の名前が付いた銘柄がほとんどないことだ。シングルモルトにローズバンクというのがあるが、これは蒸留所名。アメリカのバーボンウイスキーにはフォアローゼズや、イエローローズ・オブ・ケンタッキーなど、花の名前が付いたブランドがあるのにだ。これは花が直接的に中身のウイスキーをイメージさせてしまうからだろうか。
歴史的な人物をブランド名にしたスコッチは多く、キング・ジョージ4世やクイーンアン、そしてハイランドクイーン、さらにロバート・バーンズなどきりがない。さすが王室好きのスコットランド人、イングランド人である。ロバート・バーンズは王家とはなんの由縁もない人物だが、スコットランドでは「国民詩人」として絶大の人気を誇る。バーンズは、その名前だけでなく、作品に由来する製品もいくつか存在する。最も有名なのが、カティサークで、これについては(0098)でも、紹介したことがある。バーンズの代表作の1つ、『シャンターのタム』が、そのネーミングの元となっている。(つづく)
昔のフェイマスグラウスのラベル。 こちらは昔のホワイトホースのラベル。 一覧ページに戻る