2021-09-13
スコッチ【0158夜】世界最長熟!GMのグレンリベット80年
このところ山崎55年のアメリカでの販売や、グレングラント60年物のリリースなど、超長熟シングルモルトの話題が続いているが、なんといっても凄いのが、9月2日に情報公開となったゴードン&マクファイル社(GM)のグレンリベット80年物(!!)である。幸運にもオンラインを使ったローンチイベントに参加させてもらったが、このグレンリベットの80年物は、GMの最高峰シリーズである「ジェネレーションズ」の第4弾となるもの。今までにGMはモートラック65年、グレンリベット70年、モートラック75年とこのジェネレーションズをリリースしてきたが、今回の第4弾が最長となる80年熟成。もちろんシングルモルトとしては、これが世界一である。
この樽(シングルカスク)はファーストフィルのシェリーバット樽で、1940年2月3日にザ・グレンリベット蒸留所でニューポットが詰められた。当時GMは今と違ってエルギンに自分たちの熟成庫を持っていなかったので、30年以上リベットの熟成庫で眠り、その後1970年代に自社のウェアハウスに運び込まれ、そこで再び40年以上の時を刻んだことになる。ボトリングされたのはGM創業125周年に当たる2020年3月のこと。それから1年半たって、今回ようやくリリースとなった。実はこのリベットの樽違いの70年物は2011年にリリースされている。それも1940年2月3日に樽詰めされたものというから、この時、複数樽がリベットに持ち込まれたのだろう。
このシェリー樽はヘレスのウィリアム・ハンバート社のもので、最初にモスト(ブドウ果汁)を入れ、その後ソブレタブラ樽として酒精強化用に使われている。シェリーはその後ソレラシステムに移されるのが一般的だが、GMのこの樽はおそらくシェリーを詰めて、その後そのまま輸出用に使われたのではないかと思われる。当時GMはハンバート社から樽でシェリーを直接購入していたからだ。度数は44.9%で、本数は250本。80年物としては奇跡に近い度数と本数で、これもGMのこだわりの樽だからこそ成せることだったのだろう。
先日オンラインで開催されたローンチイベントにて。 一覧ページに戻る