2021-08-21
ワールド【0144夜】歴史的な東インド会社がジンで蘇る!?
東インド会社といえば歴史の教科書で習ったことがある有名な会社だが、この由緒ある会社名を名乗るのが、ロンドンの新しい会社で、そこが2018年に出したのが、その名も「ザ・イーストインディアカンパニー・ロンドンドライジン」だ。もちろん、本家本元のイギリス東インド会社とは関係はない。本家のイギリス東インド会社は1600年に、エリザエス1世の勅許を得て設立された会社で、インドを中心とした東南アジア貿易の独占権(特許)を得て、植民地開拓に多大な貢献をした。いわば歴史的会社である。ただ、その役目を終えた1874年に会社自体は解散している。
現在の会社は2010年にインド出身の実業家サンジブ・メフタ氏が設立したもので、正式に“東インド会社”と名乗ることを当局から許可されたという。主に食品と宝飾品を扱う会社で、ロンドンに拠点を構えている。そこがジン蒸留所であるトーマト蒸留所とコラボしてつくったのが、東インド会社の社名を冠したロンドンドライジンだ。使うボタニカルは世界中から集められた12種類で、その中にはドライマンゴーのパウダーであるアムチュールやカルダモン、コリアンダーシードなどインド原産のものや、ガランガルというショウガ根の一種、さらにナツメグ、ロングペッパーと呼ばれるヒハツなどが含まれている。かつての東インド会社ゆかりのボタニカルだ。
ボトルもかつて西洋が憧れた中国の白磁、ボーンチャイナをイメージした純白のボトルで、そこに金色で東インド会社の社名が躍る。ロゴマークはハートマークの中に会社のイニシャル文字「EIC」が描かれているが、このマーク自体は旧東インド会社のものではない。さらに社名の独占的使用権はメフタ氏にはないという主張もあり、この社名を今後も使えるかどうかは不透明だが、それにしても歴史の授業で習ったあの東インド会社を名乗るジンが登場するとは…。
こちらが「ザ・イーストインディアカンパニー・ロンドンドライジン」。東インド会社は、インド植民地統治機関としての役割も担っていた。 一覧ページに戻る