2021-08-02
スコッチ【0133夜】ツイード川でサーモンに初挑戦
スコットランドの川というとハイランドを流れるスペイ川、ディー川、テイ川が有名だが、ローランドにも1つ有名な川がある。それがイングランドとの国境を流れるツイード川である。この4つが、スコットランドの4大河川で、どれも西から東へ流れ、北海に注ぎ込むのが特徴である。
ハイランドの3つの川はウイスキーとサーモンで有名だが、ツイード川はニット産業と、そしてサーモンフィッシングで、その名が全世界に轟いている。私が初めてサーモンフィッシングをしたのもツイード川で、今から32年も前の話になるが、ダブルハンドのサーモンロッドも、スペイキャストも、この時初めて知った。私が釣りをしたのはツイード川の中流域だったが、釣りの手ほどきをしてくれたその時のギリー(専門の案内人)の話が、今でも印象に残っている。
当初私はルアーでのバスフィッシングが中心で、フライはイギリスに渡ってからやり始めた。だから恰好がそもそも派手なアメリカンスタイル。その時、ギリーに言われたのが、「サーモンフィッシングには、それにふさわしいスタイルがある。ネクタイをしろとは言わないが、その野球帽と派手なシャツはやめてくれ」だった。ニッカボッカーにツイードジャケット、ネクタイにハンチング帽というのが、正式なサーモンフィッシングのスタイルだと、その時はじめて知った。
釣りにネクタイ、ジャケット…。とんでもないところに来てしまったと、その時、にわかサーモン釣師は思ったが、郷に入れば郷に従うしかない。翌日ギリーがプレゼントしてくれたのが、ツイードのハンチング帽だった。で、サーモンは釣れたのかって?その後ツイード、テイ、ディー、スペイと4大河川すべてでトライしたが、未だに釣り上げたことがない。それほどスコットランドのサーモン釣りは難しいのだ。
「スコットランドでゴーフィッシング、釣りに行くといったら、それはサーモンしかない。サーモン以外はフィッシュとはいわない」とも言われたが、サーモン以外は魚ではないと言われても…。
30年以上も前の写真。スペイ川で知り合いのギリーが釣り上げたサーモンと一緒に撮ったものだ。当時はキャッチ&リリースではなく、釣れたて新鮮を持ち帰り、調理して食べていた。 こちらはアベラワーの近くにある、釣り人が利用するロッジのトイレ。スペイ川の古いサーモンフライを便座に入れ込んでいる。一般の人にとっては少し気味が悪いかもしれないが、釣り人からすると、素晴らしいおもてなしでトイレどころではない(?) 一覧ページに戻る