2021-07-27
スコッチ【0130夜】カーリングのストーンを切り出す島とは
スコットランド発祥のスポーツといえばゴルフが有名だが、もうひとつ冬のスポーツとして人気なのがカーリングだ。かつてはスペイサイドの蒸留所間で対抗戦なども開かれたというが、実は冬になると蒸留所の冷却水を貯める池などが凍って、その氷上で行われたのがカーリングだったという。スペイサイドのトーモア蒸留所は第二次大戦後、スペイサイドに最初につくられた蒸留所だが(1958年)、冷却水用の池とは別に、職人の冬のレジャーとして、わざわざ屋外にカーリング用の池をつくったほど。もちろん、現在は外で行われることはなく、室内の専用レーンで楽しまれている。日本でも北海道の常呂町や、長野県などでカーリングが盛んだが、あのストーンと呼ばれる円盤状の石は、どこで作られているのだろうか。
その石の切り出し場所として有名なのが、スコットランドのエアシャーのガーヴァン沖に浮かぶ、アイルサクレイグという島である。まるでお椀をふせたようなユニークな形をした島で、ガーヴァンの沖合に、その異様な姿を見せている。この島は現在は無人島だが、全島が硬い花崗岩でできていて、これがカーリングのストーンになるのだ。そのため入島が厳しく制限されていて、誰も島に上陸することができない。年に1~2回、指定された業者が島に上陸して、カーリング用のストーンを切り出し、それを本土の工場に持って行くのだという。
このアイルサクレイグ島にちなんで建てられたのが、ウィリアム・グラント&サンズ社のアイルサベイ蒸留所で、2008年に、ガーヴァン・グレーンウイスキー蒸留所の一角に、モルト原酒を造る蒸留所としてオープンした。当初はポットスチル8基を擁する蒸留所だったが、現在はマッシュタンも発酵槽も増設し、スチルは初留8基、最留8基の計16基となっている。年間生産能力も約1200万リットルと、もちろんローランドモルトとしては最大だ。ちなみにアイルサベイの看板には、アルサクレイグ島で切り出された、この花崗岩が使われている。