2021-05-20
アイリッシュ【0105夜】ウイスキーを売って長者番付の1位に…
アメリカのフォーブス誌が発表したスポーツ選手の2021長者番付で、1位に輝いたのが総合格闘技UFCの元2階級王者、コナー・マクレガーだった。昨年6月1日から1年間の所得を推計したもので、コナーの所得は約197億円となり、2位のメッシ(約143億円)のそれを50億近くも上回る金額だった。ちなみに3位も、メッシと同じサッカー選手の、クリスティアーノ・ロナウドである(約132億円)。
コナー・マクレガーは格闘技ファンで知らない人はいないと思うが、もともとアイルランドのダブリン生まれで、今はアメリカのビバリーヒルズにも豪邸を構えている。しかし昨年1年間のファイトはダスティン・ポイエー戦のみで(カーフキックを蹴られ敗戦)、ファイトマネーは24億円。実は大部分の収入は、彼の持っているウイスキーの会社の株式をホセ・クエルボ社に売ったもの。約175億円が、その株式の売却益だという。
コナーが創始したのが、「プロパーNo.12」という、アイリッシュブレンデッドウイスキー。No.12というのは自身が生まれ育ったダブリンの下町の12番街のことで、治安が悪く、貧困家庭が多いことでも知られている。コナー自身、低所得者住宅で育ち、格闘技で世界一にのし上がった。いわば拳ひとつで今の地位を築いたわけだが、長者番付のトップ10入りは2018年にも果たしている。
その時の相手はフロイド・メイウェザーで、メイウェザーはボクシングの元世界チャンピオン。その時のファイトマネーは109億円だったというから、桁はずれだ。ちなみに、その時のメイウェザーのファイトマネーは312億円で、もちろんその年の長者番付ナンバーワンである。
それにしても、なぜウイスキー1本でと思うが、このプロパーNo.12は半年で250万本が売れたという大ヒット商品。ケースにして年間40万ケースで、これはアイリッシュとしてはジェムソン、タラモアデユー、そしてブッシュミルズに次ぐ、第4位の数字なのだ。おそらく全世界のマクレガーファンが少なくとも1本は買ったのだろう。もちろん、私も1本買っている。
最新号のウイスキーガロアでも紹介している「プロパーNo.12」。 一覧ページに戻る