2021-04-08
スコッチ【0086夜】寿司ネタとして大人気の大西洋サーモン
0065でタラの一種のハドックを紹介したが、今回はそれ以外のスコットランドの魚について。魚の王様といえば、なんといってもサーモンだ。特に冷燻にしたスコッティッシュサーモンは世界中の食通が唸る美味しさである。
スコットランドに生息するサーモンはアトランティックサーモン(大西洋サケ、学名サーモ・サラー)といって、日本で見られるパシフィックサーモン(太平洋サケ、学名オンコリンカス・ケタ)とは種類が違う。ベニザケやカラフトマス、キングサーモン、ギンザケ、シロザケなどの太平洋サーモンは一度の産卵で死んでしまうが、大西洋サケは何度も河川と海を往き来して産卵をくり返す。そのため個体差も大きく、小さな物で4~5ポンド(約1.8~2.3㎏)、大きな物になると体長1メートル60センチ、70~80ポンド(32~36㎏)にまで成長する。
スコットランドはサーモンフィッシングのメッカだが(スペイ川やテイ川、ディー川などウイスキーで有名な川はすべてサーモンリバー)、スモークドサーモンとして出回るのはほとんどが養殖サーモン。釣り師が川で釣ったサーモンが流通することはなく、日本のように定置網でサーモンを捕獲することも禁止されている。そのため養殖サーモンが主となるが、ヘブリディーズ諸島や西海岸の自然豊かな冷たい海で養殖されるサーモンは、ほどよく脂がのり、燻製だけでなくグリルにしてもポーチにしても大変美味しい魚と評判だ。
日本ではノルウェー産の養殖サーモンが寿司ネタとして一番人気だが、ノルウェー産の鮭も同じく大西洋サケ。太平洋サーモンで一番美味しいのはベニザケだといわれるが、そのベニザケに負けず劣らず食通の間で評判なのが大西洋サケなのだ。しかもベニザケよりはるかに巨体に成長し、養殖も容易なのがアトランティックサーモンの特徴。それゆえ寿司ネタとして重宝されているのだろう。