2020-11-11
スコッチ【0016夜】故ショーン・コネリーも愛飲したアイラモルト
大統領選ですっかり影がうすくなってしまったが、先日ショーン・コネリーが90歳で亡くなったというニュースが流れた。ショーン・コネリーといえば、もちろん『007』のジェームズ・ボンド役だが、ボンド役を下りてからは『インディ・ジョーンズ』シリーズで、インディの父親役として味のある演技をしていた。
ショーン・コネリーはエジンバラ生まれの生っ粋のスコットランド人。ボンド役の時はきれいなクイーンズイングリッシュを喋っていたが、スコットランド訛り丸出しで、生き生きと演じていたのが、『アンタッチャブル』のマローン役である。1987年に公開されたこの映画はアメリカの禁酒法時代、シカゴを舞台に暗躍するマフィアの大ボス、アル・カポネと、連邦財務省の特別捜査官エリオット・ネスの死闘を描いたもので、カポネはロバート・デ・ニーロが、そしてエリオットはケビン・コスナーが演じていた。マローンは元シカゴ市警のベテラン刑事で、スコットランド移民出身(のはずだ…)という設定だった。だからショーン・コネリーは遠慮なくエジンバラの、それも生まれ育った下町のアクセントを、これでもかと使えたわけだが、これが、なんともいい味の演技だった。ほとんど地でやっているのかとも思えたほどで、ショーン・コネリーは、このマローン役でアカデミー賞の助演男優賞を受賞している。
若い時はタックスヘイブンでスコットランド以外に国籍を移し、日本のウイスキーのコマーシャルにも出演し、ヒンシュクを買ったこともあったが、晩年はスコットランド独立のための旗振り役として、自らもSNP(スコットランド国民党)の一員として活動していた。もちろん愛飲していたのはマティーニではなく、スコッチの、それもシングルモルトである。いつかは聞き忘れたがアイラ島を訪れたことがあり、ボウモアの見学では、クリスティーン・ローガンさんが案内し、ショップでお気に入りのボウモアを買っていったという。
ボウモア蒸留所の外観 一覧ページに戻る