2020-10-09
スコッチ【0003夜】久しぶりのスペイキャスト
スペイサイドといえばスペイ川である。スペイ川といえばサーモンフィッシング。もちろん釣り方は伝統的なフライフィッシングだ。それもダブルハンドという長い竿を使ったフライフィッシングで、スペイキャストという、独自のキャスティング方法を発達させてきた。
スペイ川はスコットランドいちの急流といわれる川で、土手が深くえぐられているため、基本的に川に立ちこんで釣りをする。通常の短い竿では上手く振れず、さらに水に腰までつかって釣りをするので、ロールキャストという独特の投げ方を考案してきた。後ろにラインを伸ばすことができず、体の横でラインを回転(ロール)させながら、フライ(毛針)を前方にキャスティングするのだ。
今年7月、コロナ禍の中であったが久しぶりに北海道に行き、道東の川でスペイキャストをする機会があった。スペイ川のマッカランビートや、グランタウン・オン・スペイ、ディー川やツイード川でも釣りをしたが、日本の河川でスペイキャストをするのは初めて。釣り具メーカーのシマノが出している『Fishing Cafe』という釣り雑誌の取材だったが、ついで(?)に、2年半ぶりに厚岸蒸溜所も取材した(ガロアVol22 [10月号]掲載)。
スペイ川で狙うのはサーモンだが、道東の川で狙ったのはニジマスやアメマス。スケールは違うが、久しぶりにスペイキャストを堪能した。スコッチには動物をシンボルとしたものが多いと書いたが、ラベルにサーモンを使っていたのはグレンキースとスペイバーンかもしれない。どちらもスペイサイドである。スペイキャストそのものは、ゴードン&マクファイル(GM)が、自社ブレンデッドのラベルに、スペイキャストをしている釣り師そのものをあしらって、ブランド化している。スペイサイドの人々にとってサーモンと、スペイキャストは特別な存在なのだ。
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